全15段落。
p. 264-265
p. 277-278
ここに至って初めて、すなわち伝統もパトロンも市場も、ましてや芸術アカデミーも、個々の芸術家が作業を進める上での十分な指針を示せなくなって初めて、芸術システム内部において新たなグルーピングがなされるようになる。つまり、同じ考え方をもった者たちがグループを形成するようになるのである。外部に手掛かりを求められなくなったことを、グループ内での自己確証によって補おうというわけだ。ラファエル前派、青騎士、バウハウス、グルッペ47、「アート&ランゲージ」グループ、そのほか無数にある同様の集団を考えてみればよい。ここで重要なのは公式組織でもなければ、単に濃密な相互行為が生じているとか 集会が頻繁に開かれているということでもない。グルーピングが緩いからこそ、個々のメンバーがそこに所属しつつ、どれくらい強く、またどれくらいの期間そこに拘束されていると感じるかについては留保しておくといったことが容易になるのである。グループに所属するに至る社会的動機は、おそらく次のようなものだろう。すなわち、通常ならざるプログラム決定を行うにあたって、他人の同様の試みのうちに多くの手掛かりを見出すこと。そうすれば決定がある個人だけの奇矯なものとしては現れてこなくなる、というわけだ。