涜書:作田『価値の社会学』/エジャートン『ビーチの社会学』

ただいま休暇中。移動新幹線車中の友。

価値の社会学

価値の社会学

ビーチの社会学

ビーチの社会学

私にとって、1940年代〜60年代くらいに書かれた社会学の書物というのは、もっとも縁遠く、理解しがたいことが多い。

だから、パーソンズとかシュッツの本も、たいがいほとんどナニ言ってるかわからない。

この二冊は、ひとつはおもに60年代に書かれたもの、もうひとつは75-77年にかけて行われた調査だが、──まぁこの二つを比べることに何の意味があるのか、という話はあるけど──、後者のほうはともかく前者のほうは読み薦めるのが非常にむつかしい。 たとえばこんな文章:

(5) 目的・価値・欲求の相互関連の分析は動機分析と呼ばれてよく、主として外部の状況側に位置する諸要因の目的に対する作用の分析は状況分析と呼ばれてよい。この二つの分析を総合する事は、行為理論のレベルではむつかしく、この総合の問題の解決は機能主義的理論に持ち込まれたというのが佐藤勉の基本的な主張である(『社会学的機能主義の研究』恒星社厚生閣、1971年、53頁)。 動機分析のうち、目的と欲求の両者のあいだの相対的な優先性の問題は、行為理論の一つのアポリアであった(F.Znaniecki, Social Action1967)。 目的と欲求の両方が同時に文化的に規定される状況を構想することで、この問題を乗り越えるとしても、より高い次元において再び「主観的」サイドにある動機分析と「客観的」サイドにある状況分析の総合の問題が起こる。だが、問題の所在を認めながらも、先に進まなければならない。

一読して理解できず、二度、三度と読んでみるが、やはり何をいっているかわからない。

なに言ってるかは判らないけれど、
問題があるのがわかってんだったら他の道を行けばいいじゃないの....とかいっちゃいかんのだろうか...



ヴァカンス車中でなぜこんな苦労を...と思うが。
こうした文章が理解できないのは、──著者がおかしいのではなく──、こちらに それをもっともらしいものとして読むための枠組みが 欠けているからなのだろう。70年代以降のものと20年代くらいまでのものは、おおむねふつうに読めるので、大戦の前後で何かが変わってしまったのかもしれない、と思いたくもなるが、あるいは、たんに私の頭が悪いだけかもしれない。
ともかくも苦しい。最後までたどり着けるかな....