吉川浩満「猫町スクール【第Ⅰ期全6回】人間を科学する─ポピュラーサイエンスの名著を読む」

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猫町倶楽部の読書会は、発足以来「課題本の読了」を参加条件としてきました。この「読了」というハードルは、参加者が能動的に本を読み、じっくりと考え、理解を深めるプロセスそのものが大切であるという、猫町倶楽部の理念を体現してきました。
しかし、時間の制約や他の事情で、興味があっても複数の課題本に取り組むのは難しいという声も多くいただいてきました。そこで、5月から新たに始まる「猫町スクール」では、この「読了」のハードルを少しだけ柔軟にし、より多くの方に学びの楽しさを体験していただけるようにしました。

🔴猫町スクールは課題本の読了は不要

猫町スクールでは、通常の読書会のように課題本を読了することを参加条件にしません。気になる名著について、講師の解説を通して理解し、新たな視点を得ることができます。また、「手にとっていないが、気になっている名著」を読むきっかけを作るための講義としてもご活用いただけます。読了済みの方々にとっても、一層の理解を深める貴重な機会となることでしょう。
猫町倶楽部が大切にしてきた「読書による学び」を、少し違った形で提供する新しい試みとして、ぜひご利用ください。学びの場は、ただの知識を得るための場所ではなく、好奇心を刺激し、新たな視点を広げる場所です。

《ご挨拶 :吉川浩満

このシリーズでは、サイエンスの視点から人間の謎を解き明かしてくれる必読書を読んでいきます。リストアップしたのは、おもにヒトの進化と認知に関するポピュラーサイエンスの名著です。
人間観が大きく変わりつつある時代です。そこで大きな役割を演じているものこそ、進化と認知にかんする科学と技術にほかなりません。遺伝子の観点から進化をみる血縁淘汰説(利己的遺伝子説)によってアップデートされた社会生物学進化心理学、人間行動生態学。 そして認知革命と呼ばれる運動から生まれた認知心理学行動経済学、AI研究。これらが従来の人間観に改訂を迫っています。
ここで人間観とは、人間に対する見方という程度の意味ですが、われわれが人間であるために、当然ながらそれはわれわれ自身の自己像でもあります。これらの書物を読むことで、われわれは自らが何者であるのか/ありたいのかを考えなおすきっかけを得られるのではないでしょうか。そしてそれは、自己のアイデンティティから日々の人づきあい、ビジネスや政治参加にいたるまで、さまざまな場面で活きてくるように思います。
おおげさに言えば、「汝自身を知れ」(古代ギリシアアポロン神殿に刻まれていた警句)の21世紀版です。知りたくありませんか?

https://nekomachi-club.com/events/ee23e4bf43a4