ハバーマスどれから読むか。

http://d.hatena.ne.jp/eculus/20060401/p1
回答案。この本読んであたりをつけてみてはどうでしょう:

ハーバーマス (現代思想の冒険者たちSelect)

ハーバーマス (現代思想の冒険者たちSelect)

蛇足ながら。
ハバーマスを読むなら、まずはハバーマスとルーマンを──彼らは ことなる領域・ことなる指向をもって仕事をしたひとたちなのだから──併置・対置して考えようとするのはやめて、ルーマンとは独立に・それとして 読んだほうがいいんじゃないかとは おもいます。
手短かに言うと、社会哲学と社会学とは異なる仕事だ、ということ。誰かが生化学と生理学を混同しているのをみたら、eculusさんだって驚いちゃうでしょ?
『論争』が出たのは、ハバーマスの取り巻き連中が──「生意気なやつがいるんですよぉ。先輩なんかいってやってくださいよぉ」と──ハバーマスをけしかけて喧嘩を売らせたからだし、ルーマンのほうは売られた喧嘩に仕方なくつきあっただけだし。



追記:
いらぬおせっかいですが。『コミュニケーション的行為の理論』は、ほんとに死ぬほどツマらないですよ。俺、何度も死にかけたし。

だってこれ、ただの「お勉強ノート」だもん。『論争』を経て、「やっぱり社会学が気になるなぁ。いちど勉強しとくか」と(ついうっかり)思いついてしまった 秀才ハバーマス先生が、それで社会学史をちょっと勉強して 図式的にまとめてみましたよ、という本なので。先生は秀才なので まぁ小器用に議論をまとめてはくれるけど、それだけのはなし。あまり面白いことも言わないし。(図式的な割には)無駄に長いし。社会学科の院試とかには──ひょっとしたら──役に立つかもしれないけど。
受けたこと無いからしらないけどね!
というよりもむしろ、基本的には、社会学に外在的な関心をもった人によって・社会学に関心のないひとのために書かれた、これ一冊読んで「社会学って(しょせんはたかだか)こんなもん(なの)か(なーんだ)」と わかった気になりましょう という、そして、そんなふうにして「社会学の面白いところ」は 敢えて回避してツツガなく人生を送りましょう という、そういうための本なのです。

コミュニケイション的行為の理論 上

コミュニケイション的行為の理論 上

コミュニケイション的行為の理論 中

コミュニケイション的行為の理論 中

コミュニケイション的行為の理論 下

コミュニケイション的行為の理論 下

ハバーマスって──「コミュニケーション」とかいうけど──基本的にあまり、ひとの話を聞かないひとであるようです。ま、世間ではありがちなことではありますが。

『論争』のときは言うに及ばずだけど、『実証主義論争』のときもそうだった。このときは、社会学科学者があつまって「経験的研究をどうやってやるのがいいですかね」という話をしようとしてたところにやってきて、その論点とぜんぜん(or ほとんど)関係ないところで勝手に煽って場を盛り上げたあげくに、当初の議論をかすませてしまったわけだけど。
ま、ハバーマス好きなひとは、そういうところ──「そんなことより こっちの話のほうがクリティカル=重要だ!」みたいなの──が好きなんでしょうけどねぇ。
社会は複雑ですな。

‥‥という まとめで。