奥山:「組織システムの制度論的考察─ルーマン組織理論の批判的展開─」

高尾本週間の夕食。

  • 奥山敏雄、1987a、「組織システムの制度論的考察─ルーマン組織理論の批判的展開─」、『社会学評論』38-1:60-76



「制度」は「コンテクスト」らしいです。
で、その、「コンテクスト」の「メカニズム」を解明するのが「制度研究」としての「社会システム研究」なのだそうです。──って。それ、ふつうに構築的な社会学じゃん...。

[‥] 選択は単独では不可能であり、他の諸選択と関係づけられて、それらを前提にする音で選択可能性が開示され、初めて可能になる。またそのような相互の関係づけの中で選択がなされるからこそ、当の選択は選択連関の一環たる組織的なものとして資格づけられ、他の選択の前提は、選択が組織的なものであるという了解のコンテクストが、当該の選択及びそれが関係づけられるところの他の選択肢に共通するものとして与えられることによって、初めて可能になるのである。このような関係づけ視点の差異に対する形式的な同一性をコンテクストとして用いることで、選択を選択連関の中に帰属させ、異なる視点にも関わらず同じく「組織的なもの」として資格づけることによって、当の選択を可能にし、システムを構成していくという社会的なメカニズムを解明することが、組織の基礎理論の課題となるのである。[‥]
 このようなシステムへの選択の帰属を資格づける同一のコンテクストを制度と呼び、この社会的なメカニズムに照準する組織理論を組織の制度理論と呼んでおく(6) [p.61-62]

(6) [‥] 社会システム研究は制度研究としてのみ可能であることを指摘したものとして宮台(前掲論文*)を参照。この制度の定義は、筆者が「帰属を資格づける形式的同一性」と呼んできたものを、ルーマンをもとにした宮台にならい、コンテクスト概念で一般化したものである。

* 宮台真司「社会システム論の再編に向けて」『ソシオロゴス』10(1986):p.96-119
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/%7Eslogos/backnumber.html

どどどーん! ──予期理論のルーマン


小見出し

  • 組織の因果モデルから制度モデルへ
  • 予期と制度
  • ルーマン公式組織論の意義
  • ルーマン公式組織論の本質的難点
  • 決定の制度論の視角
  • 比較組織論へむけて
  • 結びにかえて