お買いもの:安丸良夫(1974/1999)『日本の近代化と民衆思想』

総特集:通俗道徳。


日本の近代化と民衆思想 - 平凡社

第一篇 民衆思想の展開

  • 第一章 日本の近代化と民衆思想
    • はじめに
    • 一 思想形成をうながすもの
    • 二  荒村の精神状況
    • 三 「心」の哲学の意味
    • 四 「心」の哲学の人間的基礎
    • 五 精神主義の限界
    • 六 変革への立脚点
  • 第二章 民衆思想とイデオロギー編成
  • 第三章 「世直し」の論理の系譜──丸山教を中心に

第二篇 民衆闘争の思想

いただきもの:松沢裕作「日本近代形成期の集団と個人:家・村・窮民」

どうもありがとうございます。
質問するとPDFが送られてくるシステムでした。

  • はじめに
  • 1 「生きづらさ」はどのように認識されるか
  • 2 共同性・拘束性・孤立

I 近世身分制社会の解体

  • 1 近世日本における身分制
  • 2 近世身分制の解体過程
  • 3 不安と競争一通俗道徳実践の全面化一

II 窮民のゆくえ

  • 1 明治期日本の救貧法制概観
  • 2 恤救規則の適用

Ⅲ 競争する「家」と再建される村

  • 1 「家」小経営と市場経済
  • 2 再建される相互監視
  • おわりに

I-2 近世身分制の解体過程

こうした社会状況のなかで,江戸幕府の倒壊を直接に引き起こしたのは,条約勅許問題に端を発する政局の混迷であった。そこでは,なんらかの統合理念が提示されるよりも.対立する勢力が互いに失敗を攻撃しあうこと,そして政局の行き詰まりをクーデタで清算することがくりかえされた。

I-3 不安と競争一通俗道徳実践の全面化一

 このように、新政府の改革はかならずしもプログラム化されていないにもかかわらず旧秩序を解体する性格のものであった。しかし, こうした政策は農村富裕層からは一定の支持を得た。彼らにとってそれは.村請制による強制的再分配からの解放を意味したからである。農村富裕層のあいだでは,再分配から,富の増大(勧業インフラ整備),知識の増大(教育)への政策転換支持が起きた。
 しかし.そうした政策転換を支える財源調達に政府は苦慮することになる。単にクーデタの勝者であるにすぎないという正統性の弱さゆえに政府は容易に増税ができず.むしろ1877年に地租率を3%から2.5%へ引き下げるという減税をおこなわざるをえなかった。農村富裕層は,旧秩序の破壊は支持するが増税は望まなかったのである。こうして、農村部では小さな政府のもとで.従来再分配機能を担ってきた村請制の村が解体される状況が生じた。村請制の村や.武士の身分を含む各種身分集団の解体は.それまでそうした集団に依拠して生きてきた人びとの不安の増大を招いた。
 近世後期から,部分的に浸透しはじめていた勤労と倹約という,安丸良夫のいう「通俗道徳」的実践が全面化するのはこの時期である安丸良夫『日本の近代化と民衆思想』青木書店1974年,のち平凡社ライブラリー, 1999年)。近世における「通俗道徳」実践は,諸個人・諸経営にとっての一つのオプションであったと考えるべきであり.それ以外に不安定な社会を乗り切る選択肢が失われる段階が近代とともに到来したと位置づけられる。

つらい話すぎて逆にウケる。

借りもの:イシュトファン・ホント『商業社会の政治学』/星野ほか(1977)『スミス国富論入門』

6月14日まで。


商業社会の政治学

商業社会の政治学


星野彰男・和田重司・山崎怜(1977)『スミス国富論入門』

ISBN:4641903468

  • はしがき
  • 序章
  • I 分業・価値・分配(『国富論』第一編)
  • II 資本と資本蓄積(『国富論』第二編)
  • III 諸国民の富裕の進歩の差異(『国富論』第三編)

借りもの:メリー・ベーカー・エディ(1875)『科学と健康』/大庭健(2001)『私という迷宮』

6月7日まで。

闇の自己啓発合戦拾遺

ISBN:4152099992
www.hayakawa-online.co.jp

2021.02.06

大滝瓶太「自己啓発本はなぜクソなのか?〜『闇の自己啓発』から「学べる」こと:「成長」という考え方のヤバさ」現代ビジネス
gendai.ismedia.jp

どう違うのかも書いてほしい。

2021.02.05-02.15

「闇の自己啓発界隈vs経済学101(?)界隈」togetter
togetter.com

2021.02.10

樋口恭介「正常としての異常な世界を生きること、あるいは異常者=正常者のためのセルフヘルプ」早川書房
www.hayakawabooks.com

2021.02.12

ラッコ「『闇の自己啓発』の異常者マーケティングがうざい件について:でも「ほとんど無害」。」 note
note.com

2021.02.12



2021.02.12

樋口恭介「ラッコさんによる樋口の書評への批判への応答」 note
note.com



2021.03.26

江永 泉・木澤 佐登志「どこか似通っている」陰謀論とポジティブ・シンキングはなぜ似てしまうのか:世界を俯瞰するキャラがいると危険」
president.jp

今月の50冊

  1. nyx 第5号 江川純一 338p ISBN:4906708722
  2. 「助けて」が言えない SOSを出さない人に支援者は何ができるか 松本 俊彦 264p ISBN:4535563799
  3. インタラクションの境界と接続-サル・人・会話研究から 木村 大治 445p ISBN:4812210089
  4. エクスタシーの神学: キリスト教神秘主義の扉をひらく (ちくま新書) 菊地 章太 222p ISBN:4480068058
  5. オレンジだけが果物じゃない白水Uブックス176) ジャネット ウィンターソン 295p ISBN:4560071764
  6. カント 美と倫理とのはざまで 熊野 純彦 314p ISBN:4062203944
  7. ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) 宮口 幸治 192p ISBN:4106108208
  8. デジタルゲーム研究入門:レポート作成から論文執筆まで 小林信重 280p ISBN:4623086925
  9. デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21) 藻谷 浩介 270p ISBN:4047102334
  10. ビデオゲームの美学 松永 伸司 376p ISBN:4766425677
  11. ポスト3・11のリスク社会学原発事故と放射線リスクはどのように語られたのか 井口 暁 455p ISBN:4779513936
  12. ヴァルター・ベンヤミン: 闇を歩く批評 (岩波新書) 柿木 伸之 262p ISBN:4004317975
  13. 世界哲学史5--中世III バロックの哲学 (ちくま新書) 伊藤 邦武 336p ISBN:4480072950
  14. 人と思想 19 キルケゴール 工藤 綏夫 220p ISBN:4389420194
  15. 企業の研究者をめざす皆さんへ-Research That Matters 丸山 宏 187p ISBN:4764903822
  16. 僕らのAI論 9名の識者が語る人工知能と「こころ」 (サイエンス・アイ新書) 224p ISBN:4815602999
  17. 分断された時代を生きる (知のフィールドガイド) 東京大学教養学部 270p ISBN:4560095647
  18. 哲学の体系性 (現代カント研究14) 中野 裕孝 216p ISBN:477102992X
  19. 官僚制の時代-マックス・ヴェーバーの政治社会学 ヴォルフガンク・J. モムゼン 176p ISBN:4624110749
  20. 徳川時代の宗教 (岩波文庫) R.N.ベラー 412p ISBN:4003347218
  21. 思考脳力のつくり方 仕事と人生を革新する四つの思考法 (角川oneテーマ21) 前野 隆司 259p ISBN:404710230X
  22. 戦後「社会科学」の思想: 丸山眞男から新保守主義まで (NHK BOOKS) 森 政稔 302p ISBN:4140912618
  23. 投票行動 (現代政治学叢書 5) 三宅 一郎 304p ISBN:4130320955
  24. 数学の社会学-知識と社会表象 D.ブルア 258p ISBN:4563020346
  25. 有島武郎--地人論の最果てへ (岩波新書) 荒木 優太 288p ISBN:4004318491
  26. 歴史と私 - 史料と歩んだ歴史家の回想 (中公新書) 伊藤 隆 294p ISBN:412102317X
  27. 状況のインタフェース (状況論的アプローチ) 上野 直樹 295p ISBN:4760892818
  28. 現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から 中川大地 576p ISBN:4152096357
  29. 現象学のパースペクティヴ 河本 英夫 220p ISBN:4771028613
  30. 生きづらい明治社会--不安と競争の時代 (岩波ジュニア新書) 松沢 裕作 192p ISBN:4005008836
  31. 社会情報学とその展開: 吉田民人論集I 吉田 民人 288p ISBN:4326602538
  32. 社会科学と因果分析: ウェーバーの方法論から知の現在へ 佐藤 俊樹 417p ISBN:4000613154
  33. 神秘主義文庫クセジュ 252) アンリ・セルーヤ 164p ISBN:4560052522
  34. 私とは何か--「個人」から「分人」へ (講談社現代新書) 平野 啓一郎 192p ISBN:4062881721
  35. 笹川良一研究-異次元からの使者 佐藤 誠三郎 382p ISBN:4120028178
  36. 自由民権運動--〈デモクラシー〉の夢と挫折 (岩波新書) 松沢 裕作 240p ISBN:400431609X
  37. 記憶のデザイン (筑摩選書) 山本 貴光 222p ISBN:4480017178
  38. 認識と反省性: ピエール・ブルデュー社会学的思考 磯 直樹 438p ISBN:4588151053
  39. 近代日本の思想をさぐる: 研究のための15の視角 中野目 徹 324p ISBN:4642008322
  40. 集団・組織 (社会科学の理論とモデル) 森脇 俊雅 204p ISBN:4130341367
  41. 青い眼がほしい (TONI MORRISON COLLECTION) トニ・モリスン 252p ISBN:4152078553