借りもの:イヴォンヌ・カステラン(1954/1987→1993)『心霊主義―霊界のメカニズム』


  • まえがき
  • 第一章 心霊主義の誕生と定義
  • 第二章 霊媒
  • 第三章 アラン・カルデックと心霊主義哲学
  • 第四章 アラン・カルデック以後の心霊主義(1870年から今日まで)
  • 第五章 心霊主義と科学
  • 第六章 反対陣営の理論と立場
  • 結論
  • 訳者あとがき

まえがき

  • 「スピリティスム」はアラン・カルデックの造語

第一章 心霊主義の誕生と定義

  • 15 アラン・カルデック先生曰く:
    • 心霊主義とは、霊の実在、顕現、教示を基盤とする教義である。
    • 霊とは不滅の魂である。
    • 人間は次の三つの要素から成り立っている。
      • 肉体
      • 霊体

第二章 霊媒

  • 霊媒:霊が人間と交信するための媒体となる個人

第三章 アラン・カルデックと心霊主義哲学

第四章「アラン・カルデック以後の心霊主義(1870年から今日まで)」

今月の50冊

  1. イギリス流 大人の気骨--スマイルズの『自助論』エッセンス版 スマイルズ 194p ISBN:406214557X
  2. 人生を開く心の法則 フローレンス・スコヴェル シン 205p ISBN:4884814126
  3. 人生の扉をひらく「万能の鍵」 (サンマーク文庫) ラルフ・ウォルドー・トライン 246p ISBN:4763160648
  4. 引き寄せの法則 (フェニックスシリーズ) ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン 164p ISBN:4775941143
  5. 積極的考え方の力 ノーマン・ヴィンセント・ピール 256p ISBN:4478022720
  6. 前進あるのみ ─「究極の楽観主義」があなたを成功へと導く オリソン・S・マーデン 392p ISBN:4775941720
  7. 自己啓発の名著30 (ちくま新書) 三輪 裕範 286p ISBN:4480066136
  8. 勉強の哲学 来たるべきバカのために 千葉 雅也 237p ISBN:4163905367
  9. 自分の薬をつくる 坂口 恭平 289p ISBN:4794971842
  10. 自分探しが止まらない (ソフトバンク新書) 速水 健朗 224p ISBN:4797344997
  11. カラーセラピーと高度消費社会の信仰~ニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?~ 加藤有希子 221p ISBN:4865640282
  12. トランプ時代の魔術とオカルトパワー ゲイリー・ラックマン 343p ISBN:4864718792
  13. 神秘主義-超越的世界へ到る途 イーヴリン アンダーヒル 529p ISBN:4915536092
  14. 思想 2017年 12 月号 [雑誌] ISBN:B0775Z8DF4
  15. コンサルタントの道具箱 ジェラルド・M・ワインバーグ 264p ISBN:4822281728
  16. たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS) 西口 一希 240p ISBN:4798160075
  17. 12歳までにかならず教えたいお金のこと-お金に振り回されない大人になる! たけや きみこ 159p ISBN:4761265833
  18. 失敗の本質-日本軍の組織論的研究 (中公文庫) 戸部 良一 413p ISBN:4122018331
  19. ポリス社会に生きる (世界史リブレット) 前沢 伸行 91p ISBN:4634340208
  20. 懐疑主義の方式-古代のテクストと現代の解釈 ジュリア アナス 343p ISBN:4000003313
  21. 人類の知的遺産〈10〉ヘレニズムの思想家 岩崎 允胤 388p ISBN:4061453106
  22. パスカルに於ける人間の研究 (1949年) 三木 清 183p ISBN:B000JBI8KO
  23. 自分で考える勇気--カント哲学入門 (岩波ジュニア新書) 御子柴 善之 224p ISBN:4005007988
  24. カントの政治哲学入門: 政治における理念とは何か 網谷 壮介 206p ISBN:4768479693
  25. ハイデガー存在と時間』入門 (講談社現代新書) 轟 孝夫 448p ISBN:4062884372
  26. ドゥルーズガタリの『哲学とは何か』を精読する 〈内在〉の哲学試論 (講談社選書メチエ) 近藤 和敬 608p ISBN:4065208343
  27. 音を視る、時を聴く哲学講義 (ちくま学芸文庫) 大森 荘蔵 259p ISBN:4480090541
  28. 政治学の第一歩 (有斐閣ストゥディア) 砂原 庸介 250p ISBN:4641150257
  29. 法学入門 稲 正樹 266p ISBN:4779305896
  30. 家(チベ)の歴史を書く (単行本) 朴 沙羅 320p ISBN:4480818480
  31. 社会的なものを組み直す: アクターネットワーク理論入門 (叢書・ウニベルシタス) ブリュノ ラトゥール 577p ISBN:4588010905
  32. 硫黄島-国策に翻弄された130年 (中公新書) 石原 俊 221p ISBN:4121025253
  33. 遺伝学の知識と病いの語り: 遺伝性疾患をこえて生きる 前田 泰樹 232p ISBN:4779512913
  34. 計量社会科学入門 2007年度公開講座資料 統計数理研究所 244p
  35. 第76回 日本社会学会大会 報告要旨 352p
  36. いまこそ考えたい 生活保障のしくみ (岩波ブックレット) 大沢 真理 72p ISBN:4002707903
  37. ガラスの壁-分裂病になった俺 (BANSEI POCKET) 沢 光邦 264p ISBN:4891883049
  38. コンピュータのひみつ 山本貴光 352p ISBN:4255005443
  39. ディファレンス・エンジン〈上〉 (角川文庫) ウィリアム ギブスン 394p ISBN:4042659012
  40. 保育園「改革」のゆくえ--「新たな保育の仕組み」を考える (岩波ブックレット) 近藤 幹生 64p ISBN:4000094750
  41. 妻との修復 (講談社現代新書) 嵐山 光三郎 224p ISBN:4062879344
  42. 雇用破綻最前線--雇い止め・派遣切り・条件切り下げ (岩波ブックレット) 中野 麻美 64p ISBN:400270808X
  43. あらすじで読む日本の古典 (楽書ブックス) 小林 保治 185p ISBN:4806119857

酒井泰斗+吉川浩満「非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義」(2021年度)

追記:2022年度の告知はこちら
contractio.hateblo.jp


2021年4月からのシリーズでは、高校卒業程度の知識と学力のみを前提として、自己啓発書の古典を使った講読・演習講義をおこなっています。

会場は朝日カルチャーセンター新宿ですが、オフライン・オンライン併用で開催していますので 関東近隣以外にお住まいのかたでもご参加いただけます。

  • 開催日: 2022年 1月19日、2月16日、3月16日、4月20日、5月18日、6月15日 19:00-20:30
  • 受講料金:

講義案内

 朝日カルチャーセンターでは一線の哲学研究者たちによるバラエティに富んだ多数の哲学講義が開催されていますが、本講座は、それらとはまったく異なる性格を持っています。本講座は、哲学に関心のある非専門家たちが集まって、非専門家である講師二人とともに、哲学との「大人のつきあい方」について相談しあうための互助会であることを目指しているからです。
 今シーズンからは、過去の講座で要望の多かった文献講読講義を、自己啓発書の古典を使って開始します。課題は二つ:手続きを踏んで形式的にテクストを読む訓練と、私たち自身の通俗性について反省的に検討することです。
 自己啓発は、哲学のライバルプログラムとして すでに私たちの思考に深く大きな影響を与えていますが、それだけでなく私たちが帯びざるを得ない通俗性を反映してもいます。これから1〜2年ほどの時間をかけて、自己啓発の一つの起源だと言われる「ニューソート」へと歴史をたどり・調べながら、私たち自身の通俗性について考えてみたいと思います。その作業は、自己啓発書の愛好者にも嫌悪者にも無関心な人にも、そしてなにより、哲学とのつきあい方に苦慮している人たちにとって 有意義なもの──「自分自身を知ること」に関わるもの──になるはずです。
 なお、以上のような趣旨ですので、本講座の受講にあたって哲学に関する特別な知識も過去の講座の受講経験もまったく必要ありません。(講師記)

講読書の候補

  • エマーソン(1841)『自己信頼』
  • マーデン(1894)『前進あるのみ』
  • マルフォード(1889)『精神力』
  • トライン(1897)『無限者に調子を合わせて(人生の扉をひらく万能の鍵)』
  • アレン(1902)『原因と結果の法則』
  • アトキンソン(1906)『引き寄せの法則
  • ワトルズ(1910)『富を引き寄せる科学的法則』
  • フローレンス・スコーヴェル・シン(1925)『人生というゲームを如何にプレイするか』
  • カーネギー(1936)『人を動かす』
  • ヒル(1937)『思考は現実化する』
  • ピール(1952)『積極的考え方の力』
  • マルツ(1960)『自分を動かす』
  • マーフィ(1963)『潜在意識の力』

いただきもの:フィルカル 6-1

名ばかり編集委員のわたくしにもお送りいただきました。4/30発売

philcul.net

特集シリーズ2「科学的説明論の現在」

  • 清水雄也・小林佑太「序言」
  • 清水雄也・小林佑太「因果的説明論の現在」
    • 1「科学的説明と因果」
    • 2「20世紀の科学的説明論」
      • 2.1「被覆法則説」
      • 2.2「因果メカニズム説」
    • 3「可操性性説」
      • 3.1「差異形成と反事実」
        114「しかし、産出関係を持ち込まずに差異形成関係のみで因果的説明を規定する学説は、SR説以外にも提案されており、それは説明論における主要な選択肢であり続けている。」
        115「反事実説は差異形成説の下位分類にあたるが、SR説のような確率説の不十分さを前提とした場合には、実質的に差異形成説は反事実説と等しいと考えてよい。」
      • 3.2「介入主義と2つの伝統」
      • 3.3「介入主義的可操性説」
        what-if-things-had-been-different question
      • 3.4「不変的一般則」
    • 4「メカニズム説」
      • 4.1「新しいメカニズム説」
      • 4.2「メカニズム的説明」
    • 5「カイロス説」
      • 5.1「カイロス説の位置づけ」
      • 5.2「カイロス的説明論」
      • 5.3「因果関係・因果的説明・因果主張」
    • 6「三学説の関係」
      • 6.1「共通点と相違点」
      • 6.2「DP二面説という類型」
  • マイケル・ストレヴンス「『深さ』の概略」清水雄也訳

総特集:通俗道徳

「総特集:自己啓発」の続き。
contractio.hateblo.jp

お買いもの:安丸良夫(1974/1999)『日本の近代化と民衆思想』

総特集:通俗道徳。
contractio.hateblo.jp

日本の近代化と民衆思想 - 平凡社

第一篇 民衆思想の展開

  • 第一章 日本の近代化と民衆思想
    • はじめに
    • 一 思想形成をうながすもの
    • 二  荒村の精神状況
    • 三 「心」の哲学の意味
    • 四 「心」の哲学の人間的基礎
    • 五 精神主義の限界
    • 六 変革への立脚点
  • 第二章 民衆思想とイデオロギー編成
  • 第三章 「世直し」の論理の系譜──丸山教を中心に
    • はじめに
    • 一 「ミロクの世」観念の伝統
    • 二 富士信仰の発展
    • 三 丸山教の成立
    • 四 丸山教の世直し思想
    • おわりに

第二篇 民衆闘争の思想

  • 第四章 民衆蜂起の世界像──百姓一揆の思想史的意味 その1
    • はじめに
    • 一 幕藩制的抑圧状況
    • 二 蜂起の意識構造(1)
    • 三 蜂起の意識構造(2)
    • 四 高揚と鬱屈
  • 第五章 民衆蜂起の意識過程──百姓一揆の思想史的意味 その2
    • はじめに
    • 一 “悪”を措定するもの
    • 二 結集様式
    • 三 打ちこわしとオージー
    • 四 あらたな可能意識について
  • あとがき
  • 平凡社ライブラリー版 あとがき
  • 解説 オリエンタリズム批判としての民衆史と安丸良夫(T・フジタニ)

第一章「日本の近代化と民衆思想」

1-2「荒村の精神的状況」
  • 49「先生ワルカイナ 御祝言サヘンジャナイカ 相手ハミツケレン」
1-3「「心」の哲学の意味」
  • 52 「以下の論述では、このてんを通俗道徳の実践主体の構造=実践の論理にそくして考察したい。」

構造を云々するときには、併せてその要素についても述べていただきたい。

  • 56 「金光教の開祖川手文治郎によれば、日柄や方位の問題はじつは「神の不在」をうかがう人間の心の欲や我がままの問題にほかならない。だから、心を改めさえすれば、日柄や方位はすこしも気にしなくてもよい。」
1-4「「心」の哲学の人間的基礎」
  • 64 「「心」の哲学は、極度に唯心論的なものであったために、対象的世界の客観的認識や変革においては微力だったが、こうした自己変革の論理としては、きわめて強力だった。「心」の哲学を世界観的なよりどころとすることによって、広汎な民衆が民俗的世界の生活習慣を克服し、禁欲的な生活規律の樹立へとむかった。そこには、きわめて膨大な人間的社会的なエネルギーがこめられていた。」
  • 老農
  • 故老
  • 世間師
1-5「精神主義の限界」
1-6「変革への立脚点」
  • 84に「自己責任」なる語が。
  • 西田天香
  • 88 「近世後期から明治にかけての民衆的な立場からの社会批判は、儒教道徳や通俗道徳の純粋化という観点からなされることが多かった。ごく一般的にいって、もともとは支配階級のイデオロギー的武器である儒教キリスト教などは、その教義の理想主義的側面を純粋化して支配階級の現実に適用してみれば、広汎な民衆に批判の武器をあたえるものだった。近代社会系世期の民衆闘争の世界観的背景は、すべてそうした前近代思想の純粋化という形態をとった。」
  • 丸山教 - Wikipedia

あとがき

解説──オリエンタリズム批判としての民衆史と安丸良夫(T・フジタニ)

「自発的で単一的な主体」か「複数のアイデンティティをつうじて複合的に変容できる主体性」か。──これが1999年か、という感じのフーコー偉い論であった。つらい。

いただきもの:松沢裕作「日本近代形成期の集団と個人:家・村・窮民」

どうもありがとうございます。
質問するとPDFが送られてくるシステムでした。

  • はじめに
  • 1 「生きづらさ」はどのように認識されるか
  • 2 共同性・拘束性・孤立

I 近世身分制社会の解体

  • 1 近世日本における身分制
  • 2 近世身分制の解体過程
  • 3 不安と競争一通俗道徳実践の全面化一

II 窮民のゆくえ

  • 1 明治期日本の救貧法制概観
  • 2 恤救規則の適用

Ⅲ 競争する「家」と再建される村

  • 1 「家」小経営と市場経済
  • 2 再建される相互監視
  • おわりに

I-2 近世身分制の解体過程

こうした社会状況のなかで,江戸幕府の倒壊を直接に引き起こしたのは,条約勅許問題に端を発する政局の混迷であった。そこでは,なんらかの統合理念が提示されるよりも.対立する勢力が互いに失敗を攻撃しあうこと,そして政局の行き詰まりをクーデタで清算することがくりかえされた。

I-3 不安と競争一通俗道徳実践の全面化一

 このように、新政府の改革はかならずしもプログラム化されていないにもかかわらず旧秩序を解体する性格のものであった。しかし, こうした政策は農村富裕層からは一定の支持を得た。彼らにとってそれは.村請制による強制的再分配からの解放を意味したからである。農村富裕層のあいだでは,再分配から,富の増大(勧業インフラ整備),知識の増大(教育)への政策転換支持が起きた。
 しかし.そうした政策転換を支える財源調達に政府は苦慮することになる。単にクーデタの勝者であるにすぎないという正統性の弱さゆえに政府は容易に増税ができず.むしろ1877年に地租率を3%から2.5%へ引き下げるという減税をおこなわざるをえなかった。農村富裕層は,旧秩序の破壊は支持するが増税は望まなかったのである。こうして、農村部では小さな政府のもとで.従来再分配機能を担ってきた村請制の村が解体される状況が生じた。村請制の村や.武士の身分を含む各種身分集団の解体は.それまでそうした集団に依拠して生きてきた人びとの不安の増大を招いた。
 近世後期から,部分的に浸透しはじめていた勤労と倹約という,安丸良夫のいう「通俗道徳」的実践が全面化するのはこの時期である安丸良夫『日本の近代化と民衆思想』青木書店1974年,のち平凡社ライブラリー, 1999年)。近世における「通俗道徳」実践は,諸個人・諸経営にとっての一つのオプションであったと考えるべきであり.それ以外に不安定な社会を乗り切る選択肢が失われる段階が近代とともに到来したと位置づけられる。

つらい話すぎて逆にウケる。