目次

isbn:3428009592
isbn:4833221438

  • 第1章 分化した社会秩序における政治システム
[通説的な基本権ドグマーティクのメタ法律学的基礎]
  • 基本権の通説を、コミュニケーション論的・システム論的にとらえ直す作業[32]。
  • 機能分化が成立するためのコミュニケーション論的予備前
    • 第2章 法ヒエラルヒーおよび国家と社会の区別
    • 第3章 基本権の自然法的基礎づけと精神科学的基礎づけ
[自由]
    • 第4章 自己表出の個人化:尊厳と自由
    • 第5章 行為態度予期の安定化:コミュニケーションの自由
    • 第6章 欲求充足の貨幣換算:所有権と職業
    • 第7章 支配の民主化:政治的選挙権
[平等]
社会学とドグマーティクの差異と接合]
「基本権の統一性」と「それを意識にもたらす際の限界」
  • 第9章 社会的分化の理論
  • 第10章 社会学と基本権ドクマーティク


本書の構成について:最終章 358頁

我々が基本権を究明したのは分化可能性の条件という枠内においてであったが、そのような条件は価値哲学が独占しようとしてきた位置を それにとって代わって占めるべきものとして登場してきたのである。

  1. 個人的自己表出の戦略のうちに、
  2. 予期の一般化という相手の立場をわきまえ-深い洞察を持つが感情的にはニュートラルな配慮のうちに、
  3. 貨幣という擬制的な充足価値に対する信頼のうちに、
  4. 国家的問題決定の横溢を前にしながらなお平然としてそれに無関心でありうることのうちに、
    そして、
  5. システムの機能能力を問題化する批判的潮流に対して これらすべての構えが持ち続ける感受性のうちに、

世界に対する人間の新たな行為のあり方が告知されているのである。

1〜4が、それぞれ四章〜七章の議論に対応している。