日本社会学理論学会 第1回研究例会/社会科学基礎論研究会 2006年度第4回研究会

糸冬了しました。http://wwwsoc.nii.ac.jp/sst/html/conference.html#con_200612
ご来場いただいたみなさま、準備していただいた会のみなさま、どうもありがとうございました。


来場者数は、36±3人くらいでしたかね。40人は超えたかったけど、裏にキング本の合評会そのほかあれこれの研究会などが入っていたことを考えれば、まぁ健闘したとはいえましょうか。
 こういう会で登壇するのは今回が二回目。前回は司会者でしたが、それよりは喋る方が楽だ、ということは わかりました。わりと一生懸命に準備した割には、自分としては いろいろ反省点の多い報告でしたけど。

「睡眠は大事だな」と再認しました。えぇ。

そのへんも含め、配布レジュメ+発言内容に事後コメントを加えて、近くそのうち、基礎論研究会のサイトにアップします。ご覧いただければ幸甚。http://wwwsoc.nii.ac.jp/ssst/


まぁともかくも。
かつて「意味派」とかと呼ばれた社会学諸派のなかで、象徴的相互作用論 の占める ものすごい独特さ というのだけは、今回の経験で 身を以て というか 身にしみて わかりました。それが私にとっての成果とはいえるでしょう(か)。

嬉しいか? と尋ねられると返答に困りますけど。

あと現象学的社会学なみなさんは、ジャーゴンに頼らずにものを語る工夫をしていただかないと、話がむつかしくてよくわからんです。なんとかなりませんか。

フッサールハイデガー読んでても理解できないような話は、現象学についての教養の問題とかには還元できないでしょうし、じゃぁなんですかこれは、という。


さて。
ディスカッションの間ずっと、片桐さんが我々に対して繰り返し提出したのは次の問でした:

  • 【Q1】EMは場面を超えるものを 扱わない。それでいいのか。
  • 【Q2】EMはカテゴリーの 質的な違い* を 扱わない。それでいいのか。

私(たち)は前もって この問いに対する答え──どのような意味でこの問は間違っているといえるのか──を用意していき、報告のなかでまさにそのことを述べました。そしてさらに、ディスカッションの間中、持てる知識と能力を総動員して、手を替え品を替え、それに対して応答を試みたつもりでもあります。(力は──まるで──およびませんでしたが。)
そういう事情なので、いまや──私にとっての──問題はむしろ、

どのようなロジックによって、【Q1】【Q2】のような問を構成することが可能なのか

ということを──手続的に──理解可能にすること、だろうかと思います。 ‥‥「エスノメソドロジーに関するよくある疑問質問」として。

* 「質的な違い」とは、「役割カテゴリー」「集団の成員のカテゴリー」などなどの違い。詳しくは片桐本を参照のこと。isbn:4790712036


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