なにもする気が起きない日の現象学

ひさびさにオフラインの本屋にいく。一冊だけ購入。ハードカバーで既読ですが。

現象学と解釈学 (ちくま学芸文庫)

現象学と解釈学 (ちくま学芸文庫)

現象学と解釈学

反省理論と解釈理論

  • 現代哲学の反省理論
  • 解釈学の現況
  • 解釈学の論理と展開

現象学の近代批判

媒体製の現象学への道

まったく内容覚えておらず楽しく読めましたw。あ、でもここ↓は覚えてたよ。(これは岩波の講座が初出じゃないだろうか。)


■第3章「現象学研究の現況──生活世界と地平の現象学

第三に挙げられるのは、先述したように現象学と現代の哲学の諸潮流との交叉するところで発生してくる諸問題である。最初にあげられるのは、(一)解釈学との交流である。「反省」から「解釈」への道は、たえず問い直されている古くて新しい問題である。なぜならそれは方法と事象との回帰関係を軸にしているからである。事象の自己展開として、事象に即した方法の新しい可能性を探っているという点では、ガダマーやリクールの解釈学もまた依然として現象学なのである。……
(五)解釈学や言語遂行論と同様に反省の理論を拒否しつつ、解釈学と対極的な主張をしているのはルーマンのシステム理論である。この理論は、現象学における意味と主観の関係をいわば逆転してゆくにもかかわらず、現象学のいう地平の機能をたくみに生かした科学論である。システム理論と現象学との関係についてはすでにラントグレーベとエーライの研究があるが2現象学的科学論のより豊かな展開のためにこの角度からの対決が今後必要と思われる。[p.130-132]

Landgrebe, L.: 1975
Eley,L.: 1972

最初に読んだときも???と思ったけど、10年たって読んでもやはり???ですよ。

すこし大きめの本ならたいていどの本でも、最後の章を「反省」のために割いている著者に向かってなんでこんなこといえますか。
あと、「事象の自己展開として、事象に即した方法の新しい可能性を探っているという点」で「現象学」を特徴付けるというのなら、ルーマン理論は──(ガダマーは別格としても)リクールやシュッツと比べてすら── もっとずっとまじめに思い切り現象学的探求 じゃないですかー。せんせー不公平ですーえこひいきですー。
まぁいまさら仲間にいれてもらってもうれしくないのでいいですけどもー


ところで どこの図書館にでも置いてある本までつい購入してしまうのをやめる、というのを今年の目標にしようと思った。