エスノメソドロジー@IT業界

via 門前コミュ@mixi

企業における民族誌学の研究に関するイベント「Ethnographic Praxis in Industry Conference(EPIC2007)」では,欧米企業だけでなく日本企業の事例も参加者の注目を集めた。富士通博報堂,リコーの関連会社の米 Ricoh Innovations, Inc.の事例に関する発表があった。

例えば,米Palo Alto Research Center Inc.(PARC)は,「Teaching Organizational Ethnography」と題して,同社が富士通のソフトウエア事業部の開発プロセスを対象に2004年に始めた研究を紹介した。この研究の目的の一つは,富士通社内で民族誌学に関する知識を高めることだった。ソフトウエアを開発するシステム・エンジニア(SE)に民族誌学の講義を約1週間受けてもらい,彼らが開発したソフトウエアを実際に利用している職場を観察してもらった。富士通の狙いは,SEに顧客をよく理解してもらうことだった。しかし,「何と言っても,SEがすんなり共感した訳ではなかった。まず,彼らの仕事にとって民族誌学が価値があることを納得してもらうのが,大きなハードルだった」(PARC社,Computing Science Laboratory,Research Scientistの池谷のぞみ氏)。ただし,富士通では社員が担当する民族誌学の講義を現在も続けており,この研究はIT業界に民族誌学の手法を根付かせる上で役に立ったと言えそうだ。

日本企業が手掛けた民族誌学の研究が注目を集める - 日経BP


パロアルト・リサーチセンター(PARC) の池谷さんは、『ワードマップ エスノメソドロジー』にて、小論「EMにおける実践理解の意味とその先にあるもの」を書いておられますよ。(日本語で!)
こちらもよろしく。