朝カル講義用。
https://contractio.hateblo.jp/entry/20210218/p1
https://contractio.hateblo.jp/entry/20210218/p3 の続き。
| |
|
|
|
|
幸田浩文(2011)「戦後わが国企業における人材育成管理の史的展開」
- 日経連(1969/2001)『能力主義管理―その理論と実践 日経連能力主義管理研究会報告』日本経団連出版
3.2 1960年代後半~1970年代中頃(高度経済成長期)──年功主義
126
1969年、日経連は、
- ①能力の開発・活用、
- ②年齢・学歴・勤続年数といった属人的要素ではなく能力発揮に応じての平等な処遇、ならびに
- ③少数精鋭主義
を目指す人事労務管理を「能力主義」と名づけ、具体的な人材育成施策として、キャリア教育、CDP、スキルズ・インベントリーなどを挙げている(日経連, 1969)。とくに、能力開発については、自己啓発の重要性、その環境づくり(職場風土)、管理者のあり方について言及し、能力開発の最も基本的な手段は、従業員の自己啓発と職場そのものを場とするOJT(On the Job Training;職場内教育訓練)であると位置づけている(日経連, 1969, pp.263-274)。
この時代は、アメリカから直輸入された教育訓練技法や体系を見直し、再点検することで、年功主義から能力主義に脱却しようとした時代であった。その際、自己啓発を促進するとともに、OJT やOff-JT(Off the Job Training;職場外教育訓練)を中心に、管理者教育(討議、講義、講演、ケーススタディ)、ビジネス・ゲーム、マネジメント・ゲーム、問題解決実習、視聴覚、組織開発、職場ぐるみ訓練、ロールプレイング、創造性開発手法(ブレイン・ストーミング、KJ 法、NM 法)など、さまざまな手法・技法による能力開発が試みられた時代でもあった。