涜書:ルーマン『社会の社会』

週末のイベントへ向けてすごい勢いで確認読み。

2章と4章を読んでいけばいいですかね。

社会の社会〈1〉 (叢書・ウニベルシタス)

社会の社会〈1〉 (叢書・ウニベルシタス)

社会の社会〈2〉 (叢書・ウニベルシタス)

社会の社会〈2〉 (叢書・ウニベルシタス)

  • 第1章 全体社会という社会システム
  • 第2章 コミュニケーション・メディア
  • 第3章 進化
  • 第4章 分化
  • 第5章 自己記述

にもかかわらず5章から。

第5章 自己記述

I 全体社会の到達可能性

いきなり冒頭から「同一性/統一性」の用法が揺れてるね。だめだこりゃ。

  • 最初の課題: 旧いゼマンティクにおいて、「主体」概念のもとでなされていた、全体社会の自己記述の理論に対する準備の確認[→II節以降]
    • p.1165「主体はその客体を自身のうちに、また同時に自身の外にももつ」という概念デザイン
II 主体でも客体でもなく
  • 例:カント「純粋悟性概念の図式論について」から出発。

以下略。

注17にガーフィンケルへの参照。(また違背実験か!)

  • (26) 「以下をみれば十分だろう。」──ダメなのがな。
III 自己観察と自己記述  [自己記述に関する理論的再記述の水準における定式化]
  • 「自己記述の反省」について: 
    • 「文化」(18世紀〜):「文化として反省された文化」
      • 「個人は個人的に適切なかたちで文化を習得しなければならない」(教養)
    • 「文化比較」(18世紀終わり〜)

(35) スキナー
(45) メアリー・ヘッセ

IV ヨーロッパの旧来のゼマンティク(1)──存在論

(47) ユダヤ教(←本書では取り扱わない)について:『誰がモーセを殺したか―現代文学理論におけるラビ的解釈の出現 (叢書・ウニベルシタス)

  • p.1196「〈存在論〉という概念は、17世紀になって初めて生じてきた。」

(55) 『物への問い カントの超越論的原則論に向けて (ハイデッガー全集)

  • p.1198 「認識論」(19世紀半ば〜): 〈モノ/認識方法〉

(56) 『ホモ・ヒエラルキクス―カースト体系とその意味』『個人主義論考―近代イデオロギーについての人類学的展望

  • p.1209「区別を取り扱う形式としては分類で十分だとみなすような知的態度は[カント周辺の時代において]いまや放棄される。… それによって、Prozess という 新たな、時間に関係付けられた概念への関心が呼び起こされることになる。」
  • p.1209 「過程」概念が世界史へと転用されたのは1800年ころのこと。

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第4章 分化

IX 自律性と構造的カップリング

デュルケームパーソンズの〈分化/統合〉図式に代わる、〈オートポイエーシス構造的カップリング〉図式。

  • 【政治-経済】租税、関税
  • 【法-政治】憲法
  • 【法-経済】所有権、契約: 〈法にとって:法と義務の根拠を提供するもの/経済にとって:システム独自のコード、支払いの前提〉→経済が成長すると民事訴訟が増加する。
  • 【学-教育】大学
  • 【政治-学】専門家による助言
  • 【教育-経済】成績・修了証明書
  • 【医療-経済】病状記録 Krankschreiben
  • 【芸術-経済】芸術商取引(画廊)

分析を完全に実行してみれば、何ら構造的カップリングを形成しない、したがって《構造的ドリフト》において明確な方向を示さないシステムがあるということが明らかにもなるはずである(例えば、宗教システム)。[p.1077]