読書会があると聞いて。http://www.facebook.com/events/624793710874913/
著者のもう一冊の本には邦訳がある:『統計学と社会認識―統計思想の発展 1820‐1900年』
第一部 数の力
- 第1章 自然記述の技巧の世界
- 知識を没個人化する
- 定量化と実証主義
- 尺度の標準化
- 生物学的標準化
- 第2章 社会を記述する数値が妥当とされるまで
- 第3章 経済指標と科学の価値
- 社会的な技術としての定量化
- 不毛な理論
- 技術者と物理学者による経済学
- 公共事業に値段をつける
- ワルラスとポリテクニシャンとの対立
- 経済学、物理学、そして数学
- 第4章 定量化の政治哲学
- 客観性/対象化
- 透明性/表層性
- フランスを統計社会にする
- 二次元の文化
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第二部 信頼の技術
- 第5章 客観性に対抗する専門家――会計士と保険数理士
- 会計と没個人のカルト集団
- 会計の客観性
- 階層性と差異
- 紳士的な保険数理士
- 特別委員会は正確な規則を求める
- 第6章 フランスの国家技術者と技術官僚の曖昧さ
- 経済の定量化の文脈
- 作動する定量化精神
- 公的効用の評価
- 収益の予測と利便性の見積もり
- エリートとしての技術者
- フランスにおける行政文化
- テクノクラシー
- 第7章 アメリカ陸軍技術者と費用便益分析の興隆
- アメリカの工学における経済的定量化のはじまり
- 技術団の敵と標準化への圧力
- 電力公共事業
- 鉄道
- 上流と下流──農務省
- 土地改良局とキングズ川論争
- 連邦政府省庁の経済的実践の不一致
- 経済学者による乗っ取り
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第三部 政治的な科学者共同体
- 第8章 客観性と専門分野の政治
- 官僚制──アメリカのスタイル
- 推論の規則
- 生命科学の検定と治療の試行
- 心理テストと実験心理学
- 客観性は専門家に置き換わるか?
- 第9章 科学は共同体によってつくられている?
- 交渉と自律性
- 強い共同体と弱い共同体
- 不明瞭な境界と力をもつ外部者
- 解題 [藤垣裕子]
- 1 現代社会における数量化の意味
- 2 数値に寄せる信頼と専門家によせる信頼──「客観性」の文化研究
- 3 「科学的」とは何か──科学の地図論
- 4 科学的とは何か──促進されるものと探求できなくなるもの
- 5 科学者の社会的責任論へ
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pp.13-14
本書は三部9章に分けられている。
- 第一部は、どのようにして数値が妥当性のあるものとなったのか──つまり、幅広い領域において数値がいかに標準化されたのか──を扱っている。
- 第1章は、自然科学の側面に着目し、第2章は社会科学を取り上げる。第3章は、自然科学と社会科学の関係である。
- 実際に定量化する活動は、少なくとも広汎な理論的真実を定式化しようとする野望と同じくらい、現代科学のアイデンティティと規範にとって重要であったことを論じている。
- 第4章は定量化を認め推奨する政治秩序の構造について考察している。これまで非公式な判断が専有してきた領域に厳格な定量的規則を導入しようとする傾向によって、生じた倫理的・政治的な課題を吟味する。
- 第二部は、社会的および経済的な定量化を、明らかに政治的で官僚的な場で用いようとした顕著な試みを提示する。エキスパートジャッジメントから明示的な意思決定基準への遷移は、力のある内部者たちがよりよい決定をしようと試みたことから生じたわけではない。むしろ彼らが外部からの圧力にさらされた反応として、没個人的な戦略が必要となって生じたのである。
- 第5章では、そのような圧力に抵抗することができた19世紀イギリスとの保険数理士と、抵抗することができなかった20世紀アメリカの会計士について分析する。
- 第6章と第7章では、19世紀フランスの技術者と20世紀アメリカの技術者とが経済の費用便益分析を使用した場面を取り上げ、第5章の事例と類似してはいるが、より微妙な対比を行う。…
- 第三部では、第二部で扱った専門家や官僚についての分析で得られた視点を再び学問分野に適用することを企てている。
- 第8章は、官僚文化が科学に与えた影響を評価し、そののちに、医学や心理学において分野内部の弱点や外的規制の圧力に対処するために、統計的推定がどのようにして標準になったのかを示す。
- 最後に第9章では科学者共同体の倫理的な秩序について吟味する。…