特集:自己啓発。https://contractio.hateblo.jp/entry/20200804/p0
- 作者:漆原 直行
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: 新書
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第1章 ゼロ年代のビジネス書幻想
- 2000年代のビジネス書ベストセラーランキング
- 「ちなみにコーチングとは、要するに「コーチすること」なのですが、コーチ(COACH)は「馬車」を意味しています。馬車が人を目的地まで運ぶように、コーチを受ける人を目標達成に導くための技法というわけです。」
- 潮目が変わったのは2003年 「以降のビジネス書界では「金持ちになる」「成功」といったテーマを臆面もなく語り、煽るような自己啓発系ビジネス書、いかにして自分が成功者となったか自慢しつつ、既存の定番ビジネス書からネタをつまんできて組み合わせたような(自己啓発+仕事術+ロジカルシンキングの盛り合わせ的な)ビジネス書が跋扈するようになります。」
- 2004年 新書ブーム
- 2007年 レバレッジ、コールドリーディング
- 2008年 勝間和代ブレイク
第2章 ビジネスション掟と罠
- ビジネス書三大分野
①自己啓発
②成功法則
③ライフハック - とある編集者の回顧 「自分がこの仕事をはじめたころは、自己啓発や仕事術といった領域のビジネス書は、いわばキワモノという扱い。その手の企画を担当するのは、経済解説書や硬派な実務書をつくることができない編集者だった。財務や人事、マーケティングといった得意ジャンルもなく、経済やビジネストレンドに関する理解にも乏しいから仕方なく担当させる。『アイツは硬派なビジネス書がつくれないから、とりあえず自己啓発ネタでもやらせておけ』という扱い。または、カッチリとした実務書をつくる片手間に担当するような本だった。」
・出版社が出版不況を薄利多売で乗り切ろうとしたときに求められたのが新書と自己啓発・成功・ライフハック - ニューソートといくつかの元祖自己啓発書紹介
- ジェームズ・アレン(1864-1912)『新訳 原因と結果の法則 (角川文庫)』(1902年)
- ナポレオン・ヒル(1883-1970)『思考は現実化する〈上〉』(1937年)『巨富を築く13の条件 (実日新書)』
- 『思考は現実化する』: 500人もの成功者にインタビューし、彼らに共通する「考え方」と「やり方」を体系的にまとめたもの。
- デール・カーネギー(1888-1955)『人を動かす 文庫版』(1937年)
- ナポレオン・ヒル(1883-1970)『思考は現実化する〈上〉』(1937年)『巨富を築く13の条件 (実日新書)』
- ノーマン・ヴィンセント・ピール(1898-1993)『【新訳】積極的考え方の力』(1952年)
- ジョセフ・マーフィ(1898-1981)『眠りながら成功する―自己暗示と潜在意識の活用』(1962年)『マーフィー 眠りながら巨富を得る―あなたをどんどん豊かにする「お金と心の法則」 (知的生きかた文庫)』『新版 マーフィー世界一かんたんな自己実現法』
- 自己啓発書のもう一つの起源としてのサミュエル・スマイルズ(1812-1904)『自助論』(1859年)
- スティーブン・コヴィー『完訳 7つの習慣 30周年記念版』(1989年)
「『7つの習慣』は、アメリカ建国からおよそ200年(初版当時)のあいだに刊行された「成功」に関する文献をすべて調査し、その成果をもとに執筆されています。」 - ライフハックとニューソート
ハッカーのカルチャーに大きな影響を与えたのが、1960年代後半にアメリカで巻き起こったヒッピームーブメントです。ベトナム戦争に反対し、徴兵に反発する若者たちが、愛と平和を唱え、芸術を愛し、自然回帰を標榜。既存の社会通念や制度を否定し、コミューンと呼ばれるヒッピーの共同体を形成したりしながら、魂の解放や真に自由な個人の確立を求めて運動を展開していきます。伝統的なキリスト教の教えも否定し、仏教の禅やヒンズー教といった東洋の宗教・思想に強い関心を寄せたのもヒッピームーブメントの特徴でしょう。
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かたや禁欲的であることを是とした、伝統的なキリスト教へのカウンターパートとして生まれたニューソートと、それに端を発するポジティブシンキング。
一方、既存のキリスト教的道徳観や価値観、体制への反発・反抗を求心力にして大きなムーブメントを形成したヒッピームーブメントと、その精神性を引き継ぎ、コンピュータテクノロジーを駆使して新しい価値観を提示し、自由を得ようと試みたハッカーカルチャー。
両者に通底するのは、既成概念や既存の価値観の否定です。
雑ですな。
まぁ当たらずとも遠からずというところでしょうか。