「非哲学者による非哲学者のための哲学入門読書会」スタッフのnoteに、読書会紹介記事の九つ目をアップしていただきました。
本を読み始めた初期段階においてすら実行可能な読書会参加準備作業の3つ目として、「第二水準の要約」から書籍の話題構造の特定へと進むステップを紹介しています。
読書会の案内はこちら:
「非哲学者による非哲学者のための哲学入門読書会」スタッフのnoteに、読書会紹介記事の九つ目をアップしていただきました。
本を読み始めた初期段階においてすら実行可能な読書会参加準備作業の3つ目として、「第二水準の要約」から書籍の話題構造の特定へと進むステップを紹介しています。
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(吉川さん撮影)
文藝春秋社の老舗文芸誌『文學界』にて吉川浩満さん開始した共著連載ですが、第二回もなんとか無事(でないなりに)入稿できました。が、月刊スケジュール、ヤバいとしか言いようがないですね。すぐ次の号の準備にとりかからないといけない。2月7日発売号(三月号)に掲載されます。
今回(第二回)のメニューはこんな感じになりました。ISBN:B00HUWUAOM
- 1. 道具を使い・手を動かして・他人と読む──難しくない本を使う理由
- 2.「何が書かれているか」を理解する──会の主要な目標
- 3. 訓練は二重の意味で難しい──大人のための訓練の場が少ない理由
- 4.「読めるようになる」だけでなく──知的な話題としての技能訓練
- 5. 無理をせず少し無理をする──訓練の場における心がけ
- 6. 修正し、やり直す──失敗できる場所を維持管理する
- 7. さらにもう一歩、安全性を確保するために──心理的ハードルを下げる定型的表現
- 8. 演習
前回と今回で連載の趣旨をお話ししましたので、次回第三回は読解方針の導出を行います(いま、書いています……)
文學界連載用準備。全5章407ページ。
表紙に記されている英語タイトルは The Body Distributed.
https://www.keisoshobo.co.jp/book/b26191.html
- はじめに
- 断片に用いられている記号
- 序章 相互行為分析のプログラム――「暗黙知」という考えの危うさについて
- 第1章 何の学習か――環境の構造・言葉・身振り
- 第1節 過程としての学習・達成としての学習
- 第2節 バイオリン奏法のインストラクション
- 第3節 環境の構造化
- 第4節 焦点化の達成と参加の組織
- 第5節 「見ること」をすること
- 第6節 演奏の組織
- 第7節 まとめ 条件について
- 補論 行為連鎖の優先組織について
- 第2章 分散する身体I――道具と連接する身体
- 第3章 分散する身体II――モデル身体、または身体に連接される身振り
- 第1節 代理身体1 鏡像身体
- 第2節 代理身体2 平行身体
- 第3節 理想身体
- 第4節 比喩身体
- 第5節 モデル身体の適切性
- 補論 身体の不可能な条件、または「他者」の声について
- 第4章 分散する身体III――想像の空間
- 第1節 会話のなかの演技
- 第2節 説明のなかの演技
- 第3節 相互行為空間のなかの想像の空間
- 第4節 二つの目 分散に抗する身体・収束に抗する身体
- 補論 物語を語ること
- 終章 相互行為的オブジェクト――物・表象・身体
- 本文のなかで言及した文献一覧
- 索引
第1回 (2024年1月22日 20:00-21:30)の内容:
まずは、『歴史とは何か』をより効果的に精読するための準備段階として、「歴史の哲学」という主題に含まれた数多くの哲学の難問に関して解説をしてまいりたいと思います。とりわけ、初回講義においては、「言語論的転回(linguistic turn)」および「歴史の物語論(narrative theory of history)」と呼ばれる議論に焦点を当てて解説を行います。
初回から重厚な哲学の議論が続きますが、「歴史の哲学」の根本問題を押さえることができるだけでなく、〈哲学的思考〉のトレーニングとしても極めて有効であると思われます。第2回 (2024年1月29日 20:00-21:30)の内容:
第二回から、実際に『歴史とは何か』を読み進めてまいります。まずは第一章「歴史家とその事実」および第二章「社会と個人」の講義を行います。あらかじめ述べておきますと、E. H. カーは「過去の事実」=「歴史」という議論を展開しておりません。「歴史」とは、〈それとは別の何か〉なのです。それでは、果たして「歴史」とは一体何なのでしょうか? そして、なぜカーはそのような着想を抱くに至ったのでしょうか?
本講義においては、単にE. H. カーの議論の解説に留まるのではなく、カーの議論が立脚している前提を、現代哲学の見地から建設的に批判してまいりたいと思います。そのことで、本講義においてしか体得できない『歴史とは何か』の読書体験を得ることができると思われます。第3回 (2024年2月5日 20:00-21:30)の内容:
第三回においては、『歴史とは何か』の第三章「歴史・科学・倫理」および第四章「歴史における因果連関」の講義を行います。第三章において問われているのは、「歴史学は科学の一部か?」という問いです。そして第四章において問われているのは、「因果関係と意志とはいかなる関係にあるのか?」という問いです。
本講義においては、『歴史とは何か』第三章・第四章をじっくりと精読するために必要な哲学的な枠組みの解説を丁寧に行ってまいりたいと思います。その中で、「科学的思考とは?」、「歴史を解釈するとは何をすることか?」などの根本的な問題にも私たちは取り組むことになるでしょう。https://the-five-books-on-history2.peatix.com第4回 (2024年2月12日 20:00-21:30)の内容:
第四回においては、『歴史とは何か』の第五章「進歩としての歴史」および第六章「地平の広がり」の講義を行います。極めて大きな普遍性を有している第一章「歴史家とその事実」および第二章「社会と個人」とは異なり、第五章・第六章は、今日においては大きな「時代的制約」を受けてしまっている章であるように見えるかもしれません。E. H. カーの時代と私たちの時代の間には、大きな隔たりが存在しています。ですが、そのような議論の中においても、やはり21世紀において受け継がれるべき卓越した洞察がいくつも存在するのは事実です。ですので私たちは、いったい何をカーの議論から継承し、何をカーの議論において批判すべきなのか――そうした点を、丁寧に辿ってまいりたいと思います。それこそが、E. H. カーが望んだ「対話」を成就させる契機にも繋がるでしょう。
私たちは――今から約六十年前に行われたケンブリッジ大学の連続講演の受講者たちと同じように――E. H. カーとの「対話」の場に参席することになります。そしてそれは、紛れもなく、「古典」を介した思想家との〈終わりなき対話〉に他ならないのです。