昼食。
よい論文をご教示いただいた。感謝感謝>faaさん
まず
それぞれ確認したあと、そこから振り返って改めて
- フッサールの動機付け理論の展開可能性を
探っていこうとするもの。この議論は後に、この本↓でさらに展開されているが、
- 作者: 門脇俊介
- 出版社/メーカー: 創文社
- 発売日: 2002/02
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (13件) を見る
けっこうむつかしかった、という記憶がある。が、上記論考を読むと、『理由の空間の現象学』という著作が「動機付け」論考からの首尾一貫した展開であることが確認でき、全体としての話の見通しはよくなった 気_が_す_る。 ──てとこで、『理由の空間』のほうも再読しておこうかな。
この論考では、アンスコムとフッサールのパラレリスムの確認のあとで、さらにそれをウィトゲンシュタインのほうへと延長する(というか差し戻す)方向が示唆されているが、この議論はルーマニ屋にとっても利得がある。
フッサールの「孤独な心的生活」についての議論は──デリダの かの有名な批判以降特に──非常に評判が悪いものだが、(その筋の方々はみなご存知のように)『社会的システムたち』(のコミュニケーションの章)のなかでルーマンは、フッサールのその議論をデリダに抗して擁護する*1趣旨の発言をしている。 ‥‥例によって悪筆ルーマンは その箇所でほとんどまともな敷衍をしておらず、正味のところいったいなにをどこまで考えての発言なのか 自信をもって解釈を展開するのは難しいのだが、
門脇さんがここで行っている、
という主張がデフェンスされうるものであるのなら
ルーマンの議論も「ついでにいっしょに」デフェンスされてしまうことになる。めでたい。
ちなみに、こちら↓の本では、同趣旨だが、それがひっくり返ったさらに強い主張*がなされており、ルーマンの議論との重なりは、こちらのほうがもっと見えやすい:
フッサール ~心は世界にどうつながっているのか (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 門脇俊介
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
追記
■ダメットの見解と対照のこと:http://d.hatena.ne.jp/contractio/20070408