涜書:ルーマン『社会の経済』/メーダ『労働社会の終焉』

夕食前半&後半。
「稀少性」と「労働」の概念史をざっくりおさらいしておこうかと。

社会の経済

社会の経済

労働社会の終焉―経済学に挑む政治哲学 (叢書・ウニベルシタス)

労働社会の終焉―経済学に挑む政治哲学 (叢書・ウニベルシタス)

──とおもって手に取ったのだが関係ないところから引用:

経済学における契約/政治学における契約

[p.77-81]

後者は永らく積ん読になってたんだけど、労働の概念史が学部生でも読めるくらいにざっくりと平易にまとめられていて、良書かとおもいました。


ところで サブタイトルが「経済学に挑む政治哲学」ってんですが、こんなふうに気張らんといかんもんですかね。まぁいいけど。

ただし原著のタイトルは Le travail -- Une valeur en voie de disparition
著者は、「経済学と政治学とでは取り組んでる問題が違う」(大意)と言ってるのだから「挑む」ってのはなんかヘンな感じ。
「取り組んでる問題が違うのに、経済学は圧倒的に優勢で・政治学の位置が見えなくなってる」(大意)→「それはまずい」→「混同しない(/させない)ようにしましょう」「政治学が取り組むべき大事な課題まで経済学に横取りされないよう がんばりましょう」くらいの推論連鎖なら許容範囲なんですが*。どうなんでしょ。
まいいけど。
* ただし著者自身が「一線を越えた」微妙な主張をしているように見えるところもけっこうあるので訳者のせいばかりとはいえないかもしれません。