「再帰」といえば、まずは数学用語(recursion / recurrence)だし、こういう用法↓のことを思い浮かべますよね:
でも社会学では、この言葉は別の語(reflexive)の訳語として使われてるわけで、それがなんともキモチワルイです。やめてほしい。あと論者によって使われ方が違いすぎて、なにいってるかわかんないこともしばしばある。といよりも(私の場合)そういうことのほうが多い。
つーかこの言葉、なんで人気あるんでしょうか。
「AだったのでBになる、だったのでAになる」というような循環。
とあるんですが。どういうことでしょうか。
Wikipedia には
と書いてあって、こっちのほうがまとも。
こんなの発見。(筒井さん作成の社会学用語集でした。)
再帰性
再帰性reflexivityとは,社会学的には「○○についての言及が,○○自身に影響を与えること」と定義できます.マスコミの取材・報道,社会科学者による調査・研究,行政によるデータ収集などは,あたかもその対象に影響を与えない客観的な事実の報告であるかのように扱われることが多いですが,その実頻繁に対象そのものに還元され,結果的に対象を変えていくものです.したがって再帰性が進んだ社会では,予測やコントロールを行うことが難しくなります.
再帰性は社会科学の特性でもあります.自然科学では観察結果が観察対象に影響を与えることはない(観察過程が与えることはあるでしょうが)からです.
再帰性の概念を社会学においてメジャーにしたのはA.ギデンズだといえるでしょう.ギデンズは「近代化が進むに従って社会は合理化され,社会の予測可能性・コントロール可能性が増していく」という考え方を退け,近代化とは再帰的近代化であり,予測可能性はむしろ掘り崩されると主張し,近代化=合理化論を否定しました.詳しくはギデンズの『近代とはいかなる時代か?』(而立書房)を読んでください.
http://homepage3.nifty.com/sociology/lecture/official/glossary.html