オフラインの本屋に寄るとつい本を買ってしまい(かつ読んでしまうので)よくない。3月末までは控えよう(と決意)。
これは出ているのを知らなかった*。
- 作者: マルティン・ハイデッガー,後藤嘉也
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『存在と時間』における議論の順序は、「解釈学の着想を生かす(=救う)ために、現象学的方法を援用しましょう」ということになっているわけだが、
この講義ではディルタイについての批判的検討がやや丁寧に行われているので、そのへん(どこを採ってどこを捨てるべきだと考えていたか)の消息がよくわかる。
ルーマンの「対象の分析を通して反省へ」という──『社会的システムたち』冒頭の──スローガンは、もとをただせば***ディルタイのもの。そのディルタイはといえば、ミルの言葉「道徳科学」を「精神科学」という語に翻訳して広めたひとなわけだけど、そこでいっしょに 解釈学が働くべき場所を──聖書文献学の枠組みから切り離して──「精神科学」のための反省理論へと移しかえる、という作業をやった。で、ディルタイの場合、「対象の分析を通して反省へ」(他者理解を通しての自己理解)というスローガンはこの文脈で登場するものであるわけなので、ルーマンのスローガンは この観点からも検討されるべきでありましょう。