- 吉田民人(2005)「エスノメソドロジーのreflexivity概念―文理横断的科学論(新科学論)のなかでの位置づけという解釈的展開―」
第56回関西社会学会大会報告(2005.05.28) 当日配布資料 pp1-10
III 人文社会科学における説明形式
13】〈科学的構成概念〉としての「プログラム」は自然言語や日常言語やコンピュータ用語としてのそれを著しく拡張岬釈するが、少なくとも人間層については、つぎの10タイプを指摘する必要がある。
- 第1に、「いま・ここ」空間におけるプログラムと「貯蔵」空間におけるプログラム、
- 第2に、創発的プログラムと定型的プログラム、
- 第3に、内記号で担われるプログラムと外記号で担われるプログラム、
- 第4に、邸酎状態で無意識に作動するナヴイゲーシヨン・プログラムのように習慣化・自動化して表象過程の脱落した「擬似シグナル性」プログラム、
- 第5に、内記号・外記号で担われるプログラムと環境の諸資源に(その設計図として)埋め込まれたプログラム、
- 第6に、遂行的・自生的・無自覚的プログラムと計画的・意図的・自覚的プログラム
- (遂行的・自生的,無自覚的プログラムによる自己組織化は、計画的・意図的・自覚的プログラムによる自己組織化と同様、構築的=プログラム的な自己組織化であってプリゴジン=ハーケン型の生成的=法則的な自己組織化ではない)、
- 第7に、未確定部分を含まない確定的プログラム(計算機プログラムほか)と未確定部分を含む不確定的プログラム(大部分の日常的プログラム)、
- 第8に、即興的プログラムと熟慮的プログラム、
- 第9に、規範的プログラムと非規範的プログラム、
- 第10として、自律分散プログラムと中央集中プログラム、などの区別である。
なお、〈行為様式〉という用語は〈記号情報としての行為プログラム〉と〈非記号精報としての行為パタン〉の双方を意味している。