借りもの:横田榮一(2010)『ハーバーマス理論の変換:批判理論のパラダイム的基礎』

ハーバーマス理論の変換 批判理論のパラダイム的基礎

ハーバーマス理論の変換 批判理論のパラダイム的基礎

  • 第一章 システムと生活世界
    • 1.はじめに
    • 2.近代における生活世界とシステムの分離・差異化
    • 3.二つの思考線
    • 4.ハーバーマスに対する二つの解釈
    • 5.「生活世界」と「システム」概念の二義性
    • 6.物象化概念のハーバーマスによる再定式化及び生活世界の植民地化のテーゼ
    • 7.物象化の推進メカニズム
  • 第十章 諸概念
    • 1.生活世界概念の変換
    • 2.合理化の推進力学に関する諸見解
    • 3.新自由主義多国籍企業
    • 4.後期資本主義
    • 5.全体性概念
    • 6.神話的な力
    • 7.エイジェンシー
  • 528 「新自由主義的潮流はベンヤミンがそれに休止をもたらそうとしたあの反復の力、神話的力を打ち破り、フォーディズムに基づく戦後社会国家を解体しようとしたのである。それがために、人類はそれまでとは違った世界に入り込んでしまった。」

たいへんだ・・・

引用

第一章
  • 12 「近代におけるシステム差異化の水準をこのように把握する時、ハーバーマスの思考のうちに、A.ホネットが指摘していることであるが、道具的行為ないし目的合理的行為とコミュニケーション的行為という行為の論理レベルにおける区別をシステム(…)と生活世界(…)という社会レベルに、社会存在論的区別として投影するという思考様式が侵入してくる。」
第十章
  • 486 「アドルノの議論の前提であるのは、形而上学的諸理念の肯定的、積極的定立は直ちに啓蒙の全体化する過程の一契機に成り下がる、ということである。」

前提が豊かすぎる。

  • 496 「してみれば、アドルノとホルクハイマーが言う全体性とはルーマンのシステム論におけるオートポイエシス的システムに他ならない。」
  • 498 ルーマンのオートポイエシス論は、「階級妥協が成立し、労働者の労働と消費のみならずその闘争さえもがシステム全体にとって機能的意義を有するようになったフォーディズム時代の社会構造に対応している。」

あほかと。