酒井泰斗×吉川浩満「非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義」

『理不尽な進化』 『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』の著者である吉川浩満さん(id:clinamen)との共同連続講義です。

酒井泰斗×吉川浩満「非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義」

  • 2019年 4/3, 5/1, 6/5(全三回)
  • 朝日カルチャー新宿
  • 会員 9,720円/一般 11,664円 [申込頁]
  • ユース学生会員 4,860円 [申込頁]
講義趣旨
(ショートバージョン):

時折必要になるが無しで済ますこともできるしばしば危険なもの、哲学。
哲学との距離を保った大人のつきあい方を、非哲学者二人が実演的に模索します。

(ロングバージョン)

 哲学は、人文諸学の代表者として敬意をもって扱われるとともに、無用なものの典型としても遇されてきました。学問の分化が進んでからは、個別専門分野に収まりきらない論題を引き受けること、見通し難い学問動向を要約し市民が備えるべき知識を見定めることなども期待されています。
 役に立たないという非難と、人文主義の称揚とは同じ土俵の上での対立です。私たちはどちらにも与したくありません。収まりきらないものを扱うことや見通しの必要性は、単純化や極論によってスッキリしたいという欲求と隣り合わせです。私たちはその危険性も無視できません。
 この講義では、非哲学者にとっての哲学の必要性と危険性について、そして哲学との距離をとった大人の付き合い方について、実演的に考えてみたいと思います。まずは、すでに長いあいだ実際に哲学とそれなりに付き合ってきた講師二人が、自分たち自身の付き合い方を振り返ってみます。そしてさらに──「哲学とは本当には何なのか」と問う代わりに──歴史的に、哲学が取り組むことを期待され(部分的には果たし)てきた課題を個別に取り上げ、それらに別の形で取り組もうとするライバルプログラム──たとえば書店における隣接ジャンルたち(宗教・精神世界・自己啓発など)──へも視野を広げ・比較しながら検討してみることにしましょう。


講義準備のための進捗報告会もスタートしました。こちらもよろしく(特に専門的な哲学研究者の助力を求めています)。