中島義道『哲学の教科書』を読んでいて気がついたことだけど。
なぜ実存主義においてことさらに文学との関係が話題になるかと言うと、これは
- 実存主義においては具体的個物のあり方が問題となるのであるにもかかわらず、
- 哲学の中には具体的個物の描写を訓練するプログラムが用意されていないために
- その部分を文学に依存しているからだ
ということなんだろうね。
これはまたもや、哲学は
- 抽象度を上げるのは得意だけど下げるのは著しく苦手であり、
- そのやり方としては「理論の適用」とか「思いつき的に案出された例の提示」くらいしか持っていない
というトピックの一事例になっているね。