今月の50冊

  1. A Foucault Primer Discourse, Power and the Subject Alec McHoul 164p ISBN:0522845770
  2. The Spectacle of History: Speech, Text, and Memory at the Iran-Contra Hearings (Post-Contemporary Interventions) Michael E. Lynch 368p ISBN:0822317389
  3. Representing and Intervening: Introductory Topics in the Philosophy of Natural Science Ian Hacking 304p ISBN:0521282462
  4. Archimedes und wir: Interviews (Internationaler Merve Diskurs) (German Edition) Niklas Luhmann 166p ISBN:3883960632
  5. Die Realitat der Massenmedien Niklas Luhmann 224p ISBN:3531428411
  6. Die neuzeitlichen Wissenschaften und die Phaenomenologie (Wiener Vorlesungen im Rathaus) (German Edition) Niklas Luhmann 67p ISBN:3854523459
  7. Grundrechte als Institution Ein Beitrag 228p
  8. Love A Sketch Niklas Luhmann 105p ISBN:0745647510
  9. Vertrauen Ein Mechanismus der Reduktion sozialer Komplexitat Niklas Luhmann 148p ISBN:3825240045
  10. The Conduct of Inquiry Methodology for Behavioral Science Abraham Kaplan 428p ISBN:0765804484
  11. Reassembling the Social: An Introduction to Actor-network-theory (Clarendon Lectures in Management Studies) Bruno Latour 301p ISBN:0199256055
  12. 問いかける法哲学 瀧川 裕英 275p ISBN:4589037882
  13. 行動論政治学 (1976年) 阪野 亘 241p ISBN:B000J9J9W2
  14. 政治体系理論 1 山川雄巳 226p
  15. 時代を語る・佐々木毅編「知の創造を糧として」 秋田魁新報社 146p ISBN:4870203901
  16. H. ミンツバーグ経営論 ヘンリー・ミンツバーグ 405p ISBN:4478307040
  17. サイコロとExcelで体感する統計解析 石川 幹人 137p ISBN:4320015843
  18. サイバネティクス全史--人類は思考するマシンに何を夢見たのか トマス・リッド 488p ISBN:4861826527
  19. ゲームする人類-新しいゲーム学の射程 (La science sauvage de poche) 中沢 新一 223p ISBN:4906811256
  20. 絵画の教科書 谷川 渥 397p ISBN:4783010064
  21. 心を名づけること〈上〉-心理学の社会的構成 (シリーズ認知と文化) カート ダンジガー 216p ISBN:4326199377
  22. 心を名づけること〈下〉-心理学の社会的構成 (シリーズ認知と文化) カート ダンジガー 229p ISBN:4326199385
  23. 懐疑主義 (学術選書) 松枝 啓至 247p ISBN:4814000383
  24. 大論争! 哲学バトル 畠山 創 256p ISBN:4046013109
  25. 記憶理論の歴史--コレージュ・ド・フランス講義 1903-1904年度 アンリ・ベルクソン 416p ISBN:4910213430
  26. 文学入門 (岩波新書) 桑原 武夫 168p ISBN:B07XTF9HP5
  27. テクストから遠く離れて (講談社文芸文庫) 加藤 典洋 384p ISBN:406519279X
  28. 文体としての物語 小森 陽一 354p ISBN:4480822445
  29. 現代文学論争 (筑摩選書) 小谷野 敦 380p ISBN:4480015019
  30. 宗教と日本人-葬式仏教からスピリチュアル文化まで (中公新書) 岡本 亮輔 223p ISBN:412102639X
  31. 理解社会学のカテゴリー マックス ウェーバー 210p ISBN:4624400380
  32. 文化システム論 タルコット パーソンズ 180p ISBN:4623021475
  33. バーガー社会学 (1979年) 安江 孝司 421p ISBN:B000J88L22
  34. デリダルーマン後の正義論-正義は〈不〉可能か グンター・トイプナー 320p ISBN:4787714058
  35. 世界社会の宗教的コミュニケーション 土方透 352p ISBN:4909891048
  36. 教育現象のシステム論 (教育思想双書) 石戸 教嗣 214p ISBN:4326298766
  37. リスクとしての教育-システム論的接近 (SEKAISHISO SEMINAR) 石戸 教嗣 209p ISBN:4790712397
  38. 社会の音響学: ルーマン派システム論から法現象を見る 毛利 康俊 355p ISBN:4326602627
  39. 社会制作の方法: 社会は社会を創る、でもいかにして? (けいそうブックス) 北田 暁大 360p ISBN:4326654155
  40. 社会学理論の“可能性”を読む 情況出版編集部 302p ISBN:4915252558
  41. 情況 1998年1・2月号 192p
  42. ウツ婚!! 死にたい私が生き延びるための婚活(1) (ワイドKC) 磋藤 にゅすけ 128p ISBN:4065324181
  43. ウツ婚!!: 死にたい私が生き延びるための婚活 石田 月美 269p ISBN:4794972008

酒井泰斗+吉川浩満「読むためのトゥルーイズム」第二回

(吉川さん撮影)
 文藝春秋社の老舗文芸誌『文學界』にて吉川浩満さん開始した共著連載ですが、第二回もなんとか無事(でないなりに)入稿できました。が、月刊スケジュール、ヤバいとしか言いようがないですね。すぐ次の号の準備にとりかからないといけない。2月7日発売号(三月号)に掲載されます。
 今回(第二回)のメニューはこんな感じになりました。ISBN:B00HUWUAOM

  • 1. 道具を使い・手を動かして・他人と読む──難しくない本を使う理由
  • 2.「何が書かれているか」を理解する──会の主要な目標
  • 3. 訓練は二重の意味で難しい──大人のための訓練の場が少ない理由
  • 4.「読めるようになる」だけでなく──知的な話題としての技能訓練
  • 5. 無理をせず少し無理をする──訓練の場における心がけ
  • 6. 修正し、やり直す──失敗できる場所を維持管理する
  • 7. さらにもう一歩、安全性を確保するために──心理的ハードルを下げる定型的表現
  • 8. 演習

前回と今回で連載の趣旨をお話ししましたので、次回第三回は読解方針の導出を行います(いま、書いています……)


20240216 追記:哲学の劇場#181 活動報告 『文學界』連載&哲学入門読書会(ゲスト:酒井泰斗)

YouTubeチャンネル 哲学の劇場にて連載「読むためのトゥルーイズム」紹介動画の二つ目が公開されました。
今回は、連載第二回に対する山本貴光さんの感想などを伺いました。

今回話題になったトゥルーイズムは、

  • 能力欠如と能力欠如の自覚は訓練が成り立つための必要条件である

  • 「規範的評価を控えよ」は規範的主張である。

でした。

連載第一回の宣伝動画:哲学の劇場#177

https://contractio.hateblo.jp/entry/20240112/p1

涜書:西阪仰(2008)『分散する身体:エスノメソドロジー的相互行為分析の展開』

文學界連載用準備。全5章407ページ。
表紙に記されている英語タイトルは The Body Distributed.

  • はじめに
  • 断片に用いられている記号
  • 序章 相互行為分析のプログラム――「暗黙知」という考えの危うさについて
    • 第1節 行為の可能な記述
    • 第2節 やり方(プラクティス)・知識・仕掛け
    • 第3節 行為と活動
    • 第4節 本書の構成
    • 補論1 デュルケームマルクスについて
    • 補論2 先行連鎖について
  • 第1章 何の学習か――環境の構造・言葉・身振り
    • 第1節 過程としての学習・達成としての学習
    • 第2節 バイオリン奏法のインストラクション
    • 第3節 環境の構造化
    • 第4節 焦点化の達成と参加の組織
    • 第5節 「見ること」をすること
    • 第6節 演奏の組織
    • 第7節 まとめ 条件について
    • 補論 行為連鎖の優先組織について
  • 第2章 分散する身体I――道具と連接する身体
    • 第1節 身体・道具・知覚
    • 第2節 身体と表象・身体の表象
    • 第3節 身体に触れる手
    • 第4節 まとめ 知覚の多様性
    • 補論 メルロ=ポンティマルクス、あるいは相互行為空間という比喩について
  • 第3章 分散する身体II――モデル身体、または身体に連接される身振り
    • 第1節 代理身体1 鏡像身体
    • 第2節 代理身体2 平行身体
    • 第3節 理想身体
    • 第4節 比喩身体
    • 第5節 モデル身体の適切性
    • 補論 身体の不可能な条件、または「他者」の声について
  • 第4章 分散する身体III――想像の空間
    • 第1節 会話のなかの演技
    • 第2節 説明のなかの演技
    • 第3節 相互行為空間のなかの想像の空間
    • 第4節 二つの目 分散に抗する身体・収束に抗する身体
    • 補論 物語を語ること
  • 終章 相互行為的オブジェクト――物・表象・身体
  • 本文のなかで言及した文献一覧
  • 索引
https://www.keisoshobo.co.jp/book/b26191.html



序章 相互行為分析のプログラム 「暗黙知」という考えの危うさについて 001

  • 第1節 行為の可能な記述 001
    • 行為者の主観的観点 001
    • 記述の実際的な可能性 003
    • 意図の合理性 005
    • 可能な記述の規範的性格 007
    • 行為の記述 008
    • 認識可能な行為 014
  • 第2節 やり方(プラクティス)・知識・仕掛け 018
    • 見通しを得ること 018
    • 仕掛けを組み立てる 021
    • 暗黙知」という概念の混乱 022
    • 知識の領域 027
    • ラクティスを記述すること 29
  • 第3節 行為と活動 031
    • 表現と概念 031
    • 達成としての行為 032
  • 第4節 本書の構成 035
  • 補論1 デュルケームマルクスについて 037
  • 補論2 先行連鎖について 042

The Five Books:E.H.カー(1961)『歴史とは何か』読書会

  • 主催:The Five Books
  • 講師:山野 弘樹

各講義の概要

第1回 (2024年1月22日 20:00-21:30)の内容:

まずは、『歴史とは何か』をより効果的に精読するための準備段階として、「歴史の哲学」という主題に含まれた数多くの哲学の難問に関して解説をしてまいりたいと思います。とりわけ、初回講義においては、「言語論的転回(linguistic turn)」および「歴史の物語論(narrative theory of history)」と呼ばれる議論に焦点を当てて解説を行います。
初回から重厚な哲学の議論が続きますが、「歴史の哲学」の根本問題を押さえることができるだけでなく、〈哲学的思考〉のトレーニングとしても極めて有効であると思われます。

第2回 (2024年1月29日 20:00-21:30)の内容:

第二回から、実際に『歴史とは何か』を読み進めてまいります。まずは第一章「歴史家とその事実」および第二章「社会と個人」の講義を行います。あらかじめ述べておきますと、E. H. カーは「過去の事実」=「歴史」という議論を展開しておりません。「歴史」とは、〈それとは別の何か〉なのです。それでは、果たして「歴史」とは一体何なのでしょうか? そして、なぜカーはそのような着想を抱くに至ったのでしょうか?
本講義においては、単にE. H. カーの議論の解説に留まるのではなく、カーの議論が立脚している前提を、現代哲学の見地から建設的に批判してまいりたいと思います。そのことで、本講義においてしか体得できない『歴史とは何か』の読書体験を得ることができると思われます。

第3回 (2024年2月5日 20:00-21:30)の内容:

第三回においては、『歴史とは何か』の第三章「歴史・科学・倫理」および第四章「歴史における因果連関」の講義を行います。第三章において問われているのは、「歴史学は科学の一部か?」という問いです。そして第四章において問われているのは、「因果関係と意志とはいかなる関係にあるのか?」という問いです。
本講義においては、『歴史とは何か』第三章・第四章をじっくりと精読するために必要な哲学的な枠組みの解説を丁寧に行ってまいりたいと思います。その中で、「科学的思考とは?」、「歴史を解釈するとは何をすることか?」などの根本的な問題にも私たちは取り組むことになるでしょう。

第4回 (2024年2月12日 20:00-21:30)の内容:

第四回においては、『歴史とは何か』の第五章「進歩としての歴史」および第六章「地平の広がり」の講義を行います。極めて大きな普遍性を有している第一章「歴史家とその事実」および第二章「社会と個人」とは異なり、第五章・第六章は、今日においては大きな「時代的制約」を受けてしまっている章であるように見えるかもしれません。E. H. カーの時代と私たちの時代の間には、大きな隔たりが存在しています。ですが、そのような議論の中においても、やはり21世紀において受け継がれるべき卓越した洞察がいくつも存在するのは事実です。ですので私たちは、いったい何をカーの議論から継承し、何をカーの議論において批判すべきなのか――そうした点を、丁寧に辿ってまいりたいと思います。それこそが、E. H. カーが望んだ「対話」を成就させる契機にも繋がるでしょう。
私たちは――今から約六十年前に行われたケンブリッジ大学の連続講演の受講者たちと同じように――E. H. カーとの「対話」の場に参席することになります。そしてそれは、紛れもなく、「古典」を介した思想家との〈終わりなき対話〉に他ならないのです。

https://the-five-books-on-history2.peatix.com

特集:メルロ=ポンティ(1938/1942)『行動の構造』

文學界連載のためにおうちにあるポンチ本を読んでいます。
刺激-反応-行動概念について。

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