Sosy

第3章第2節「ダブル・コンティンジェンシーの論理」

[164] DKという定式は、関与者を「人間・主体・個人・人格」など具象的な存在として表象してしまうという強固な前提を解消するのに役立つ。 「既存の前提を解消する」というなら、それに対する代替案を示さなければならないだろうが、ルーマンによる代替案の…

第3章第3節「不確実性の公理」

(23) にエスノメソドロジーに対するやや長めのコメント。 [179] この[秩序問題について単純で積極的な解決策を用意するのではなく、有りそうにないものが如何にして有りそうなものになるのかを問うという]第二の見解は、DKの問題を徹底化することで、その…

第3章第4節「ダブル・コンティンジェンシーと不確実性」

「ダブル・コンティンジェンシー」という問題設定はなんの役に立つか。 「進化論的・形態発生的理論構築のために」ということのようです。 「純粋」なダブル・コンティンジェンシー、したがって社会的に完全に未規定な状況は、たしかにわれわれの社会的現実…

第3章第5節「自触媒作用と予測可能性」

関与システムの行動は、その行動のそれ以外の規定可能性という自由のもとでおこなわれる場合に 行為になる。[p.185] 自己触媒作用 社会システムは、ダブル・コンティンジェンシー問題によって生み出される。 ダブル・コンティンジェンシー問題は、社会システ…

第3章第6節「秩序問題の新しい地平」

第3章第7節「システム境界をめぐる問題」

テーゼ: ダブル・コンティンジェンシーは、不可避的に社会システムの形成に帰着し、その意味で、その(...)持続問題として自触媒作用をおこなっている。[p.195] ジンメルからの引用: 二人の人々の関心が 同一の対象に向けられる場合はどんな場合でも、二…

第3章第8節「信頼と不信頼」

ダブル・コンティンジェンシーのもっとも重要な帰結の一つは、信頼または不信頼の発生である。[p.198]

第3章第9節「ダブル・コンティンジェンシーと自己準拠」

基底的自己準拠(要素=行為水準の自己準拠)/社会的自己準拠(社会システムと関連した自己準拠) [一方では、]要素(=行為)の自己関連付けは、要素と要素の選択的な結合のために作り出されており、その結合のために用いられている。 [他方では、]こ…

第3章第10節「ダブル・コンティンジェンシーにおける選択の問題」

「Systemreferenzen」概念の初出箇所。[p.212]

第1章第3節

3:過程と構造の分化〜再帰的自己準拠 複合的システムは、その環境と比較して複合性の落差があることにかんがみて、時間的に考えても、環境との一対一の対応関係を拠り所としえないだけではない。そうした複合的なシステムは、環境との完全な同時化を断念し…

J. L. オースティン「他人の心」

in『オースティン哲学論文集 (双書プロブレーマタ)』 哲学者達が専念してきた「本物であること(reality)」の問題は、科学者達の関心を引きつけてはきませんでしたが、これに対して(私が誤解していないならば)哲学者達が無視する傾向にある確かさ(surene…