日曜社会学更新
いちおうざっくりと目を通したので、トイプナー編『らくだ』を登録:
ルーマン 法と正義のパラドクス―12頭目のラクダの返還をめぐって (MINERVA社会学叢書)
- 作者: G.トイプナー,Gunther Teubner,土方透
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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ところで、「ルーマン理論にとってXは格別な位置をもつ」的なことを書きたがるひとが多いのはどういうことだろうね。
ちなみにこの本の監訳者あとがきでは、X=法(社会学)になってる。
ここ数年内に見かけたものをちょっとだけ振り返っただけでも、ほかに、
ここ数年内に見かけたものをちょっとだけ振り返っただけでも、ほかに、
- X=愛 (『情熱としての愛―親密さのコード化』訳者あとがき)
- X=マスメディア (ex.『マスメディアのリアリティ』訳者あとがき、『基礎情報学―生命から社会へ』)
- X=経済 (ex.『貨幣論のルーマン―“社会の経済”講義』)
- X=学 (ASINが無いので言及略)
- (以下略)
ほとんど、「こうした↑事情自体によって〈機能分化〉が裏書きされている」とか言いたくなっちゃうよ。言わないけどな(俺は)。
或ることを言ったら、結果として・同時に、何を言ったことになるのか* が、こんなに明白で直結している例も珍しいのだが、みなさんしかし、そんなに無自覚に論文とか書いていらっしゃるのでしょうか。ちょっと私には想像のつかない世界であることよなぁルーマニ屋。
* もう少しだけ詳しく言うと。
「P:ルーマン理論にとってXは格別な位置をもつ」のだとしたら、「ルーマン理論」はそれが主張する「現代社会の機能分化状況」にきちんと対応していないことになる。Pを主張する人は、同時に、そう述べてしまっていることになる。これが一点め。
ところが様々な論者によって主張されるPは、Xの中味について一致することがない(この件について事実的な合意はない)。 これが二点め。
これらのひとたちが、すべて例外なく、「自分が関心を持ち・研究している領域」をXに充当している(!)ということに注目していただきたい。心理学では、これを「投影」といいます。
もうねあf(ry。
「P:ルーマン理論にとってXは格別な位置をもつ」のだとしたら、「ルーマン理論」はそれが主張する「現代社会の機能分化状況」にきちんと対応していないことになる。Pを主張する人は、同時に、そう述べてしまっていることになる。これが一点め。
ところが様々な論者によって主張されるPは、Xの中味について一致することがない(この件について事実的な合意はない)。 これが二点め。
こんなの──=そうなることは──自明な・やってみることもなく明らかなことだと思うんだけど。
あるいはひょっとして、こういう諸論考は「ひょっとしたら他人に読まれるかもしれない」ということを想定せずに書かれているのだろうか。
ついでに。あるいはひょっとして、こういう諸論考は「ひょっとしたら他人に読まれるかもしれない」ということを想定せずに書かれているのだろうか。
これらのひとたちが、すべて例外なく、「自分が関心を持ち・研究している領域」をXに充当している(!)ということに注目していただきたい。
社会って複雑だな。
あ、おいらは「ルーマン理論にとって組織論は格別な位置をもつ」を付け加えさせていただきたいとおもいますw。