涜書:『遠近法の精神史』

1990年に行われたマドラコミュニケーションズ主催の連続講演「“世界”と“私”の関係を考える」の記録。1992年刊行。

誰が どこのなにを どうすると こういう講演テーマができるのか。
まことに社会の複雑性を感じる。

  • 佐藤忠良「目と手」
  • 中村雄二郎ルネサンスと人間の目の誕生──等身大空間の発見」
  • 小山清男「遠近法の成立──図法の原理と絵画空間」
    • ドゥォッチオ 斜投象的表現
    • ジオットの空間
    • ブルネッレスキ 消失点の発見
    • アルベルティ 線遠近法理論
    • マサッチオとウッチェルロ
    • フラ・アンジェリコの受胎告知
    • ピエーロ・デッラ・フランチェスカの絵画空間
    • レオナルドの遠近法
    • ラッファエッロ ミケランジェロ ヴェロネーゼ
    • 絵画史における線遠近法の意味
  • 若桑みどりルネサンス的空間の崩壊──マニエリスムバロックへの道」
    • 線遠近法を支えた世界観
    • 調和と秩序の美
    • 都市的世界図の崩壊
    • 世界の拡張と空間意識の変革
    • 五点の「最後の晩餐」
    • 情念と観念 システィーナ礼拝堂の天井画
    • 人体比率の破壊
    • 最後の審判」とその後に来るもの
    • 無限空間の演出
    • 共有空間から個の空間へ
  • 中原佑介「タブローとパノラマ 二つの視座──市民社会と世界空間の発見」
    • 写真とパノラマ
    • ジオラマ 徹底した写実性
    • パノラマの誕生
    • パノラマの流行と発展
    • パノラマの消滅とその残映
    • パノラマが意味するもの
  • 神吉敬三「遠近法への反逆と挑戦──ピカソの目をめぐって」