社会学研究互助会第七回:シンポジウム「making up people - イアン・ハッキングの歴史的存在論」

要事前申込み。

ミシェル・フーコーの仕事を引き継ぎつつ、「述語付け、分類、帰納…」といった哲学的問題を、歴史的・経験的な素材の中で検討するかたちで行われたイアン・ハッキングの一連の仕事 making up people。
 このシンポジウムは、最近邦訳された二著作── 『何が社会的に構成されるのか』(1999 → 2006)、 『歴史的存在論』(2002 → 2012) ──を手引としながら、このプロジェクトの意味と意義を検討するものです。

シンポジウム「making up people - イアン・ハッキングの歴史的存在論

ミシェル・フーコー
この馬力ある秀でた哲学者が いわば力任せにおこなった仕事を、彼ほどには秀でているわけでもない普通の研究者たちが引き継いでいくためには、たとえば下記のような、時間と手間のかかる共同作業が必要であるように思われます:

  • それらの仕事においてフーコーが取り組んだ課題を──フーコー自身の自己定式化とは異なる視角からの検討もおこなうことによって──適切な抽象性を備えたかたちで明確にしたうえで、
  • その課題に、個々の研究者が、各人の関心と力量にあわせた(小さな)研究対象において(小さく)取り組みながら、
  • お互いの研究を──その課題に関係づけながら──比較・検討しあう、といったような。

 このシンポジウムは、making up people と題されたイアン・ハッキングの一連の仕事を手がかりにすることで、そうした作業に資する基礎的な論点についての議論の場を提供しようとするものです。具体的には、

  • 『何が社会的に構成されるのか』と『歴史的存在論』というハッキングの2つの著作を making up people プロジェクトの手引き書として利用しつつ、
  • 哲学、政治思想史、社会学科学史を専攻する登壇者の皆さんに
    • このプロジェクトが持っている哲学的来歴はどのようなものか。それはどんな哲学的問題に取り組んでいるのか。
    • ハッキングはフーコーから何を学んだのか。このプロジェクトとフーコーの仕事との関係はどのようなものなのか。
    • ハッキングは実際には どんな主題を扱ったのか。それらについてどんな作業をおこなったのか
    といった点について確認していただいたうえで、

このプロジェクトの特徴と意義について──また 今後さらに検討すべき課題について──フロアの皆さんと議論できれば、と考えています。

  • 開催日: 2013年09月07日(土) 13:00〜18:00
  • 会 場: 東京都内(研究会連絡用MLにて告知します)
  • 報告者
  • 討論者
    • 鈴木 晃仁(精神医学史、慶應大教員)
  • 司会者
    • 酒井 泰斗(ルーマン・フォーラム管理人、会社員)
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