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引用
II「政治」1「政治とは何か」
- 16 政治とは「有限性ということを媒介として成り立つ人間集団内の統一的秩序形成作用である」。
- 17 「私がいう「統一的な秩序」とは、…、その集団内でのある決定が、他の成員全体を何らかの程度において拘束するような、事実としての秩序の存在を指している。」
「権力」や「価値」だと「自治」の観点が捉えられない、ということである模様。
III「国家とナショナリズム」1「近代国家の特質」
- 31 「君権神授説というのはローマ教会の教義に対する対抗的教説であり、大衆向けの顕教ではあっても、実際には君主の権力は、国内封建諸侯をしたがえ広域社会を統治する実力の卓越とその組織化に由来していたといって過言ではない。」
IV「権力と支配」1「政治権力」
- 47 実体的権力観: 「「人間が他の人間をその意に反して行動させる」 こういう現象が17世紀の物理学とりわけ力学の発展を背景にして、支配する人間がなんらかの特別の「力」を保有するというモデルと結びついたとき、権力という概念ができあがった。物体のもつ力は、その運動あるいは位置のエネルギーから生じる。それと同様に、権力者のもつ力は、「権力手段」あるいは「基礎価値」の保有から生じる。権力の本質をこのように考えてゆこうとする見方を、権力の実体的見方(実体的権力観)という。」
- 51 関係的権力観: 「権力を、その集積した価値や手段で表現するのは正確ではないという見方が生まれてくる。すなわち、権力は、具体的な状況や人間関係のなかで、どれだけの服従を確保できるかという実効に即してのみ語ることができるという機能的な見方である。」
- 51 「このような勢力あるいは権力関係の客観的把握の試みを通じて明らかになることは、
(1)権力関係とは、本質的に流動的なものであるということ、つまり、人生のあらゆる側面において、つねに一方的な影響関係が成り立つという場合は、むしろ、まれであるということ、
(2)権力者と服従者との間には、つねに何らかの程度におけるダイナミックな相互作用が働いているのであって、その間の関係のあり方を総合的に把握することが大切だということである。
IV「権力と支配」 2「権力の構造化──国家権力の成立」
- 56 「機能的権力観は、社会内での一元的な支配秩序の構成と物理的強制力の独占という政治権力全体についてのマクロ分析にたいして、じゅうぶんの射程をもたない。
文献
III「国家とナショナリズム」
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- ステイトについて: ヤーコプ・ブルクハルト『イタリア・ルネサンスの文化』筑摩書房