杉本 舞（2018）『「人工知能」前夜：コンピュータと脳は似ているか』

「人工知能」前夜 ―コンピュータと脳は似ているか―

序 第１章　雑誌の記事と「機械の脳」 第２章　バークリーと巨大頭脳 第３章　サイバネティクス研究者たちと機械・神経系・脳 3-1　ウィーナーとサイバネティクス 3-2　「行動、目的、目的論」──1943年 3-3　マカロックとピッツによる神経系のモデル化 3-4　目的論学会──1944〜1945年 3-5　第一回メイシー会議──1946年 第４章　フォン・ノイマンと計算機・脳・オートマトン 4-1　サイバネティクスとフォン・ノイマン 4-2　フォン・ノイマンと計算機の関わり 4-3　「EDVAC に関する報告書第一草稿」における神経モデル──1945年 4-4　第一回メイシー会議におけるフォン・ノイマン──1946年 4-5　サイバネティクスにおけるフォン・ノイマンの問題設定 4-6　ヒクソン・シンポジウム──1948年 4-7　イリノイ大学での講義──1949年 4-8　カリフォルニア工科大学での講義──1952年 4-9　『自己増殖オートマトンの理論』──1952年 4-10　『計算機と脳』──1956年 第５章　チューリングと機械の知能 第６章　『オートマトン研究』からダートマス会議へ 6-1　変化してゆく脳と機械の類比 6-2　ミンスキーとマッカーシー 6-3　『オートマトン研究』の構想 6-5　「ダートマス会議」提案書と研究の方向転換 6-6　ダートマス会議の10年後 6-7　計算機科学の登場 6-8　AI研究のその後の展開 6-9　AIブーム、イメージと現実 あとがき

引用

第３章

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1923年生まれのピッツは早熟な論理学者で、1930年代後半からシカゴ大学でルドルフ・カルナップ…から論理学を、ラシェフスキから生物物理学を学び、1942年から1943年にかけてはラシェフスキの研究グループのメンバーとニューロン網理論の一般化の研究をおこなっていた。マカロックがピッツと出会ったのは1941年のことであり、1943年の論文につながる研究はここからの二年間でおこなわれた。