借りもの:田中智志(2005)『人格形成概念の誕生―近代アメリカの教育概念史』

朝カル哲学講義用。総特集:自己啓発


  • 序章 人格形成という教育概念の由来──先行研究と構成
    • 0-1 「人格形成」の由来をめぐって
    • 0-2 教育の批判的概念史の試み
    • 0-3 人格形成、教育システム、教育実践
    • 0-4 本書の構成
  • 第1章 ヴァーチュの習慣形成──成功と幸福
    • 1 共同体的な生から個人主義的な生へ
    • 2 成功をもたらすヴァーチュ
    • 3 道徳的完全性へ
    • 4 人間の自然本性と教育
    • 5 成功指向のヴァーチュ論の後景
  • 第2章 人間を支える道徳的センス──人格形成概念の萌芽
    • 2-1 変容する人間の自然本性
    • 2-2 市民的ヴァーチュという態度
    • 2-3 ウィザースプーンの道徳的センス
    • 2-4 ウィザースプーンの教育論
    • 2-5 道徳的センス論の後景
  • 第3章 人格形成という教育概念の登場──近代的統治論と道徳的センス
    • 3-1 なぜ統治論は教育を語るのか
    • 3-2 instruction と eduucation
    • 3-3 近代的統治論
    • 3-4 ラッシュの教育システム論
    • 3-5 ジェファソンの教育システム論
    • 3-6 統治論的な人格形成論の後景
  • 第4章 コモンスクール論の人格形成概念──業績と共通性
  • 第5章 業績にとり込まれる人格概念──喪われる神性
  • 終 章 機能性性向と人格形成概念──要約と合意
    • 6-1 本論の要約
    • 6-2 市場経済と教育概念
    • 6-3 機能性指向と人格形成
    • 6-4 現代日本の教育現実にふれて
  • あとがき

0-4 本書の構成

  • 市場革命:自律的個人と価値の平準化→実存的不安の常態化
  • 完全性論と道徳哲学:「人格形成」の文脈としてのリベラリズム個人主義。その源流としての完全性論と道徳哲学。
  • 近代的統治論とリベラル・プロテスタンティズム:人格形成と教育システムとの関係について。国家形成期における統治論と前南北戦争期におけるリベラル・プロテスタンティズム
  • 教育実践の効果:19世紀のコモンスクールで展開された競争指向の教育実践。それに対抗して登場した情愛指向の教育。

第1章 ヴァーチュの習慣形成──成功と幸福

第2章 人間を支える道徳的センス──人格形成概念の萌芽

  • (まとめ)「人格形成」という近代教育概念を用意したのは──フランクリンでもマディソンでもなく──スコットランド道徳哲学だよ。