ティリッヒ(Paul Tillich)とメイ(Rollo May)
- 『ティリッヒ著作集 全11巻』目次
http://jizaiya.main.jp/list/zensyu/Tillich.html - ロロ・メイ(1950→1963)『不安の意味』小野泰博訳、誠信書房 ISBN:B000JAI7A6 ISBN:B000J7D6N2
- パウル・ティリッヒ(1952→1954)『存在への勇気』 谷口美智雄訳、新教出版社 ISBN:B000JB5LD6 ISBN:B000J9BPEW
- ロロ・メイ(1969→1972)『愛と意志』 小野泰博訳、誠信書房 ISBN:4414421020 ISBN:B000JA19T2
- パウル・ティリッヒ(1960→1962)「神学に対する実存主義の意義」『文化と宗教―ティリッヒ博士講演集』 高木八尺訳、岩波書店 ISBN:B000JAK9YS
- ロロ・メイ、アーネスト・エンジェル、アンリ・エレンベルガー編(1958→1977)『実存:心理学と精神医学の新しい視点』 伊東博訳、岩崎学術出版社 ISBN:4753377032 ISBN:B000J8RJWA
- 掲載論文執筆者: ロロ・メイ、アンリ・エレンベルガー、ウジェーヌ・ミンコフスキー、エルヴィン・シュストラウス、フォン・ゲープザッテル、ルートヴィヒ・ビンスワンガー、ローランド・クーン
- 今井尚生(2007)「ティリッヒとメイ:不安の本質の探求」ティリッヒ研究 (11)
https://ci.nii.ac.jp/naid/120000891157 - 若山和樹(2014)「パウル・ティリッヒの神学とロロ・メイの実存的心理療法」ICU比較文化 46
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005670463
- 土居真俊(1955)「パウル・ティーリッヒの実存主義1」 基督教研究 28(3・4), 基督教研究会
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005631568 - 土居真俊(1956)「パウル・ティーリッヒの実存主義2」 基督教研究 29(1), 基督教研究会
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005631576 - 菊地 順(2000)「パウル・ティリッヒと実存主義」 聖学院大学論叢 13(1)
https://ci.nii.ac.jp/naid/110007577388 - 岩村太郎(2002)「ティリッヒ神学の批判的継承と発展」 哲学 108, 三田哲學會
https://ci.nii.ac.jp/naid/110007409409 - 鬼頭葉子(2002)「(研究ノート)ティリッヒとヤスパース:「実存」と「宗教」概念について」ティリッヒ研究 5
https://ci.nii.ac.jp/naid/120000891108 - 山﨑ひとみ(2021)「(研究ノート)パウル・ティリッヒのフォイエルバッハ論:実存主義的哲学者としてのフォイエルバッハという視点から」 キリスト教学研究室紀要 9(2)
https://ci.nii.ac.jp/naid/120007038800 - 市川喜一「宗教の将来──ティリッヒ」 『新約聖書講解と福音講話 第24巻 福音と宗教II』第5章「宗教の神学」
http://www.tenryo.net/m3_book.php?p=24&q=010
- ヴィクトール・エミール・フランクル(1946→2004)『意味による癒し ロゴセラピー入門』山田邦男 訳、春秋社 ASIN:4393364694
- 中井徹(2010)「ロゴセラピー的視点による生きがい感充足要因の検討」岩手大学大学院人文社会科学研究科研究紀要 19.
https://ci.nii.ac.jp/naid/120006518019
- 諸富祥彦 『生きる意味 ビクトール・フランクル22の言葉』(ベストセラーズ、2010年)→『ビクトール・フランクル 絶望の果てに光がある』(ベストセラーズ〈ワニ文庫〉、2013年)
- 諸富祥彦 『フランクル心理学入門 どんな時も人生には意味がある』(コスモスライブラリー、1997年/角川ソフィア文庫、2021年)[4]
- 諸富祥彦 『知の教科書 フランクル』(講談社選書メチエ、2016年)
- 諸富祥彦 『フランクル 夜と霧 絶望の果てに光がある』(NHK出版、2013年)。元版はシリーズ「100分de名著ブックス」放送テキスト
- 諸富祥彦訳・解説 『『夜と霧』ビクトール・フランクルの言葉』 (コスモス・ライブラリー、2012年/ベストセラーズ〈ワニ文庫〉、2016年)
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土居真俊(1955/1956)「パウル・ティーリッヒの実存主義1&2」
序言
- ◆レーヴィット(1942)『ヘーゲルからニーチェへ』ISBN:4003369327 ISBN:4003369335
レーヴィットとティリッヒはどちらも、キルケゴールはトレンデレンブルクを介してシェリングからの影響を受けたと考えている。
市川喜一「宗教の将来──ティリッヒ」
- ◆古屋安雄(1985)『宗教の神学 ― その形成と課題』ヨルダン社 ISBN:4842800925
- ティリッヒは1886年生まれ。
- 博論はシェリング。
「「大戦時の従軍体験と敗戦によるドイツ帝国の崩壊は、壮年期のティリッヒに深刻な影響を与え、大きな変化をもたらします。ティリッヒはその回想で、この体験がはじめてわたしをドイツ的権威主義から解放したと述懐しています。」
- カール・バルト(1919)『ローマ書講解』ISBN:4582763960 ISBN:4582764010
- パウル・ティリッヒ(1919)『文化の神学の理念について』 ISBN:B000J9BPKQ ISBN:B000J8MFGA ISBN:4560021317 ISBN:4560023913
- アメリカに渡ったのは47歳のとき。ユニオン神学校はブロードウェイを挟んでコロンビア大学の向かいにあり交流も盛んだった。
- 1954年からはハーバード大学のユニバーシティ・プロフェッサー。
- 本質主義と実存主義について
本質主義は、言語や理性をもつ人間の自然における位置や意義を問い、人間の本質を運命の中に身を置きながら自由である、すなわち有限なる自由であるとしました。これを受けて近代の神学は、人間を自己の本性を完成する能力がある存在と考え、道徳主義的となり、恩寵の福音から離れていきました。実存主義はこの傾向に反発して、人間は善と悪の混合物であること、意志することを行うことができるという信念の誤りを明らかにし、時間空間の世界では道徳的に完成された社会は実現できないことを示しました。それは積極面では、神がわれわれの実存状況を改変する力をもった神として、イエス・キリストがわれわれの古き存在を克服する新しい存在の顕現として把握される道を開きました。実存主義は、近世のプロテスタンティズムが見失っていた恩寵の福音 ― 受け容れがたい人間存在の受け容れ ― を再発見させ、伝統的聖礼典の象徴(象徴については後述)に新しい意味を与えました。さらに実存主義は聖書、とくに新約聖書の古い象徴や神話を新しい時代にふさわしい解釈をすることを教えました。最後にティリッヒは、「現代の神学は実存主義から、人間存在の実存状況の再発見、恩寵の意義の再発見、聖書の新しい解釈の展開、という三つの賜物を受けている」という言葉でこの講演を締めくくっています。」
- ティリッヒ『組織神学』の構成:
第一部「理性と啓示」
第二部「存在と神」
第三部「実存とキリスト」
第四部「生と霊」
第五部「歴史と神の国」 - 宗教現象学が。
「こうして宗教という対象に対して用いられる唯一の方法として、ティリッヒは「体験分析の方法」をあげます。これは諸体験を、直接に体験された性格において観察し、記述する。そして、それと他の体験された諸現実との関係を示し、それが人間の生において占める場所を示し、その体験そのものの構造から内的な批判を行うというものです。現実は諸現象に自らを示しますが、それを記述する前に、それらの現象についての理論を立てません。ティリッヒは、この方法はフッサールの現象学を(ハイデッガーを経て)継承し発展させたものとしています。この方法の一つの実例として、後半で聖なるものの観念を論じます。」 - 記号と象徴の違いについて。
「自己以外の何かを指示するという働きにおいては象徴と記号の区別はありません。記号と象徴の違いは、自己を超えて指示する対象との内的な関係の有無です。記号はその内的関係がありません。信号の青色と車の進行には内的関係はなく、車の進行指示は他の記号でも示すことができます。それに対して象徴はそれが指示する対象に参与しています。」 - 神的過程
「神的根底で起こっていることはわれわれの思いを越えていますが、神が永遠において行われること、神が自らとの自己同一を越え、そして自らとの統一を再建するということは、有限な生命過程においても反復して起こることです。神は永遠において肯定し、否定を否定する。この弁証法は、真実なものであるかぎり、すべての生命過程の記述となります。その過程の中に自己よりの超出と自己への還帰があり、それは自己統合、自己生産、自己純化の相をもちます。この生成、生命の創造性は、すべての存在の根底に根ざしています。」
菊地 順(2000)「パウル・ティリッヒと実存主義」
- 注6 ティリッヒからの引用
「1914年7月31日、その日19世紀が終わったのだが、そのときから実存主義的反抗はもはや反抗ではなくなった。それは現実の反映になったのである。」
(『生きる勇気』訳208頁 ISBN:458276102X) - ◆シェリング「神話と啓示の哲学」
- ◆藤田健治(1962)『シェリング』勁草書房 ISBN:B000JAK47A
- ティリッヒ先生曰く:
「人間にとって和解は常に逆説である。つまり信仰の冒険と予期せざる恵みの受領との間に揺れ動くものである。」
どこに逆説が?
鬼頭葉子(2002)「ティリッヒとヤスパース」
- ◆ジャン・ヴァール(1944→1953)『実存主義的人間』永戸多喜雄訳、人文書院 ISBN:B000JBAD7K
岩村太郎(2002)「ティリッヒ神学の批判的継承と発展」
- ◆佐藤敏夫(1964)『近代の神学』 新教出版社 ISBN:B000JAH3AG ISBN:4400307530
- ◆佐藤敏夫(1994)『キリスト教神学概論』 新教出版社 ISBN:4400310639
- ◆芦名定道(1996)『ティリッヒと弁証神学の挑戦』創文社 ISBN:442330094X