第10章第四節「相互行為システムの構成条件としてのゲゼルシャフト」

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 社会と相互作用は、異なる種類の社会システムである。社会によって、コミュニケーションという出来事の有意味的-自己準拠的な閉鎖性が保証されている。それゆえまた、社会は、それぞれの相互作用においてコミュニケーションを開始することができたり、終了することができたり、また別のコミュニケーションに接続することができるようになるということを、それぞれの相互作用に対して保証している。相互作用システムにおいては、相互浸透という水圧装置が作動している。つまり、相互作用システムでは、その場に居合わせているということが、そこに居合わせている人びとにとって誘因となると同時に強制となって、その場に居合わせている人びとの自発性に基づいて、そうした人びとの行動を制約するきっかけとなる。そうであるがゆえに、社会は、相互作用なしにはありえないし、相互作用は、社会なしにはありえない。しかしながら、この二つの種類の社会システムは、一つに融合しているというわけではない。そうではなく、社会と相互作用の差異があるからこそ、互いに一方が他方を不可欠の前提とする関係にある。