IV 近代的条件のもとにおける全体社会と法との緊張関係

  • ex. 個人の自己決定への要求が増大し続けていくこと。


法の社会学的研究は、法によって構造的に誘発されている法違反についても注目しないといけないよ。

社会学の立場から法を比較するためには、法の実定的な面──つまり個々の《法文化》の間に存在する、規範と解釈方法の──違いだけでは事は済まない。法違反が構造的に生じてくるという問題の方が、少なくとも社会学にとっては、より大きな情報価値を有している。他ならぬ近代社会においては、法違反が、さまざまな社会関係の指標として、独自の論理に従って生じているのである。(p. 722 )