2000年刊行の遺稿編纂物。
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第8章 世俗化
II
前近代的な宗教は、中心と周辺の分化に相関している。いやそれどころか当時の宗教は、宗教的中心の文出によって本質的に社会文化のこの形式の成立に貢献した。たしかに高度宗教は、その信者すべてに平等を想定しているかもしれない。すなわち、彼らはみな魂をもって生まれ、魂をもって死ぬので、死後の生と生前の生が誰しもに保証されているのであるという想定である。しかし、信仰を表明することとそれを証明することは、中心と周辺の差異に沿って著しく分化され、この差異それ自体が、宗教とそれ以外の社会との構造上のカップリングを形成する。しかもその際、このカップリングは、その機能において宗教的信仰のテーマではない。(324)
III
古い世界では、〈私的であること〉(privatus=inordinatus, privatio=negatio in subiecto)は排除カテゴリーの一つであったが、近代への移行において私性と個人性は融合し、この概念は(消費者、有権者、判断能力の主体などとして)社会的に注目されるようになる。(327)