メモ。
一昨年来日したときの講演が邦訳されております。http://www.l.u-tokyo.ac.jp/philosophy/news/profgreisch.html
- ジャン・グレーシュ「一体なぜ〈なぜ〉なのか : ハイデガーとキリスト教神秘主義」、杉村靖彦訳、京都大学宗教学研究室紀要、9-Dec-2008
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/68777 - ジャン・グレーシュ「為しうる人間と承認 (再認) の理念:ポール・リクールを讃えて」、杉村靖彦訳、京都大学文学部宗教学研究室紀要、9-Dec-2008
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/68778- 杉村靖彦「ジャン・グレーシュ氏の二つの講演について」、京都大学文学部宗教学研究室紀要、9-Dec-2008
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/68779
- 杉村靖彦「ジャン・グレーシュ氏の二つの講演について」、京都大学文学部宗教学研究室紀要、9-Dec-2008
ジャン・グレーシュは、これの著者のひと(訳者はお弟子さんのようでございますな)。
- 作者: ジャングレーシュ,Jean Greisch,杉村靖彦,伊原木大祐,松本直樹,川口茂雄,重松健人,関根小織,鶴真一
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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それぞれ理解に資する ──というのは ハイデガー読みの常識に属することだと思うのですが、
まぁ世の中には こういう常識の通用しないひともいるわけですけれども、
グレーシュのこの本は、『存在と時間』の各節について、関連するフライブルク〜マールブルク時代(28年まで)の講義を丁寧にバランスよく参照・紹介しながら解説を進めていて、たいへん勉強になるよい本だと思います。
訳も平易で読みやすいし、巻末の術語日独仏対照表も たいへん便利。お勧め。
ところで、この本↑にしても、(ちょっと旧いけど)ゲルヴェンの『ハイデッガー『存在と時間』註解 (ちくま学芸文庫)』にしても、こういう本を書くのがドイツ人ではない、というのはなかなか趣き深いことでございますな(知らないだけで──邦訳されてないだけで──存在するのかもしれない*けど)。
* ただし、グレーシュの本には、「類書」としては、ゲルヴェンのとドレイファスの『世界内存在―『存在と時間』における日常性の解釈学』(となんかもう一冊くらい)しか 挙がっていなかったとおもうので、やっぱりないのかもしれない。