ひとさまに複写していただいた書評を読むものである。
- 城 達也(2004)「書評 山口節郎著『現代社会のゆらぎとリスク』」〔含 書評に応えて〕『ソシオロジ』(社会学研究会) 49(1), 151-158, 2004-05
http://ci.nii.ac.jp/naid/40006281446
書評への著者リプライがおもろすぎる。わざわざ複写していただいた甲斐があったというもの。
「書評」へのリプライを書くようにとの編集室からの最初の依頼と「書評」文を受け取ってからすでに一年以上になる。最初の「書評」文は内容的に問題が多い(本箸の内容をまるで理解してくれていない)と思われたので書き直してもらったのが今回のものなのであるが、これでも先に触れたように内容紹介の部分だけでも隙間(や誤解)が多くて不正確である(ほんの一例を挙げれば、たとえば第4章で、私は自分自身が全体社会には統合が欠けていると主張しているわけではなく、また、「統合にむけての〈提言〉をおこな」っているわけでもない。それに私はH ・ウィルケたちの立場に同調した提言など断じておこなってはいない)。書評をするのであれば、その本の内容をできる限り正確に紹介するなり要約するのが最低限の条件(義務)だと思われるが、との「書評」はこの条件を満たしてくれていない。こういうこともあって、今回はリプライを見送るつもりでいたのであるが、返答をしないでいると、本書が「書評」通りの内容のものとして受け止められてしまう危険性があり、それでは困るので、不承不承、一言っておきたい事柄をいくつか記しておきたい。[p.106]