おかいもの:東北大学教授 川島隆太監修『たのしい めいろ』

親子で向き合う時間こそが、お子さんの脳と心を育てます。
東北大学教授 川島隆太

1日10分、親子だけの時間をつくりましょう。

 子どもたちの「こころ」を育むためにいちばん大切なことは、親子が向かい合って親子だけの時間を持つことです。そう聞くと「何をいまさら言っているの。そんなことは、毎日の生活の中で充分やっています!」と、おかんじのことと思います。しかし、普段の生活の中で、親子で一緒にいるときでも、テレビやビデオがついていたり、携帯電話を身に着け、メールが入らないか気にしていたりと、子ども以外の「情報」が、常に身の回りにあるのではないでしょうか?
 この「はじめてのえんぴつちょう」シリーズは、めいろ遊びや、数遊び、文字遊びを、親子で一緒に行い、子どもたちの成長を感じ、日々成長していく子どもをほめてあげることを、毎日続けていただくためにあります。1日に10分程度、テレビやビデオを消し、携帯の電源を切り、子どもと一緒に、こうした遊びを楽しんでみてください。実は忙しい毎日の中で、自分の手をしっかりと止めて、子どもとだけ向き合う時間がほとんどなかったことに、必ず気が付きます。そして、子どもたちの願いや考えが、手に取るように見えてきます。私たちの思いが、しっかりと子どもたちに伝わるようになります。そうすると子育てが、もっと楽しくなってくるでしょう。
 めいろ遊びや、数遊び、文字遊びをすると、子どもたちの大脳の前頭前野(人間として最も大切な働きをもつ部分)が、たくさん活性化することも、調査で証明されていますから、「脳を鍛える」おまけがついてくることも期待できますよ。

光トポグラフィーでみた脳の血流量の変化

ドリルを実際にこどもたちにやってもらい、脳機能を計測する光トポグラフィー装置で、脳の血流量の変化を測定しました。その結果、何もやっていないとき(左)よりも、ドリルをやっているとき(右)のほうが、額の部分(前頭前野)の色が濃くなり、血流量が増えていることがわかりました。

◀何もしていないときドリルをしているとき▶
血流量が増えた部分は色が濃くなっています。
光トポグラフィー調査をする川島教授

(協力:仙台市・わかくさ保育園)