借りもの:ジョセフ・ダラコット(1991→1995)『美術批評入門』/西村清和(1995)『現代アートの哲学』/

AMSEA講義用。

美術批評入門

美術批評入門

現代アートの哲学 (哲学教科書シリーズ)

現代アートの哲学 (哲学教科書シリーズ)

引用

  • 22「ディセーニョとは、もとは素描や下絵を意味するが、ヴァザーリはこれに 対象の全体と部分のあいだの比例関係の認識や、そこから生じる構想、それらが頭のなかでなたちをなし、ついで手によってそとにあらわされる造形・描写のいとなみそのものを意味させている」
  • 38「純粋に分類上の呼び名としての「芸術」とは、むしろ われわれの時代になって はじめて必要とされるようになったことばとして、いまその定義が問われているのである。現代の美学、あるいは芸術哲学は、あらためて「芸術」ということばの記述的用法の可能性を提示する責務がある。」
  • 47「いま、一定の制度的ふるまいとしての発話を、フーコー 的な意味で「言説(ディスクールディスコース)」と呼ぶならば、アートワールドとは「制度化された理由づけのディスコース」のことである。」
  • 50 「現代においてアートのふるまいとは、否応なく、アートの定義とルールの更新に関与することである。あたらしい作品とは、これまでのアートの定義と理論とのかかわりにおいて、そのつどあたらしい定義と理論をみずからのうちに体現し、これによってみずからがなぜアートでありうるかを呈示するものである。現代のアートが、なんらかのかたちで自己反省的で自己言及的な、したがってコンセプチュアルな「メタ・アート」としての性格を帯びざるをえないのは、このためである。