ハイデガー『芸術作品の根源』読書会のサブテキスト。
10節構成、邦訳では11頁ほど。
- ジョルジョ・アガンベン(2006)「装置とは何か」 高桑和巳訳,『現代思想(特集=アガンベン)』2006-6, 青土社
https://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2695- Giorgio Agamben, 2006, Che cos’è un dispositivo?
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- 「実定性」の出典:イポリット(1945→1974)『ヘーゲル歴史哲学序説 (1974年)』 第3章「理性と歴史 実定性概念と運命概念」
- ヘーゲル「キリスト教精神とその運命」「キリスト教の実定性」
- ヘーゲル
「実定的な宗教は、多かれ少なかれ強制によって魂に刻印されたさまざまな感情や行動を包含する。そのような行動は指令や服従の結果であり、直接の利害なしに遂行される。」
- イポリット
「諸問題が切り結ぶ点が、この実定性概念に関して見て取れる。ここにはまた、これ以降のヘーゲルがおこなうさまざまな試みも見て取れる。すなわち、一方の純粋理性(理論史的要素、そしてとりわけ実践的な純粋理性)と他方の実定性すなわち歴史的要素、この両者を弁証法的に──ここでいう弁証法は、弁証法自体をまだ意識していない弁証法である──結びつけようとする試みのことである。ある意味で、ヘーゲルは実定性を人間の自由に対する障害とみなし、断罪している。一宗教の、また一社会状態の実定的な諸要素を探究するとは、その諸要素において強制的に人間に課されているものを発見するということ、理性の純粋さにシミをつけているものを発見するということである。だが、また別の意味では、この実定性は、ヘーゲルの指向が発展するにつれて優位に立ち、理性と和解せねばならないとされることになる。理性は抽象的であることをやめ、生の具体的な豊かさに適合するようになる。したがって、ヘーゲルの見かたにおいてなぜ実定性概念が中心に位置しているのかがわかる。」
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訳者解題
- 装置(ディスポジティフ):oikonomia, dispositio, Positivitaet, 管理、運営、マネジメント