- ローレンス・ストーン、『家族・性・結婚の社会史:1500年‐1800年のイギリス』、北本正章訳 勁草書房、1991/07、5460円、isbn:432665127X
と、
- イアン・ウォット、『イギリス小説の勃興』、橋本宏訳、 鳳書房、[1957→]1998/10、3,675円、isbn:4900304581
を、一緒に並べて読んでいるところ。前者は(社会学界隈でも)有名だからいいとして、後者も実はめちゃ面白い本だったのだった。
ていうか邦訳出てるのを私が知らなかっただけ。ちなみにルーマンは再三再四、いろんな著作でワットに言及している。
57年にこれ書いたこの人すごい。偉い。宇宙広い。やばい。でもところどころちょっと難しい。
読みやすい訳でよいのだけれども、「聖オーガスティンの『懺悔録』」とか「[スコラ的な意味では]真のリアリティは普遍的なものであり、部類的すなわち抽象的な存在であり、」とか「哲学的リアリズムの全般的な性向は批評的で、反伝統的で、革新的である」とかというような記述がところどころに登場していて──どれも「誤訳」と強く主張できるほどのものではないかもしれないけど──、読んでいて(訳の質について)不安を覚える。
たとえばWattはこの↑著者をこう呼んでいただろうし、実際この↑タイトルで邦訳がでていたこともあるので、別に「間違い」じゃぁない。でも「98年に出版された翻訳書」としてはいかがなものかしら。
あと、英訳が参照されている文献(ex. ウェーバーとか)の 原著および邦訳が挙げられてないのも、ちと怠慢な気が。
ま これはあるいみ、「何かが変わりました」「新しくなりました」「なにか登場しました」などなどという主張をするときには いつもつきまとう むつかしさ のような気はするが、そんな一般論を言ってもしょうもない。
家に帰ったらスキャンしようと思ってたのだが、着いてみたら何を疑問に思ったのか忘れてた。