何もする気がしない夜のためのハイデガー。
フライブルク、1936年夏講義。
|
本日はAを。
- p.48 「世界観」なる言葉への注釈。
- p.51 次いで「体系」。
- p.66 συστημα の三つの意味
- p.69 summa とシステムの違い。「要するに、大全は教科書なのです」
- p.77 交通、経済、天才、主権の内的な連関。
自由に形成し知るという仕方で、その結構を備えた存在を意のままにしようとするこの意志は、人間を天才として新たに経験することによって本質的に鼓舞され、是認されるのです。
- p.78
存在者全体という それまでキリスト教的に経験されて来た領域が、すべての存在を数学的な基礎づけ連関という形式のうちで規定して行く思考作用の法則性に従って考え直され、作り直されます。「観念ノ秩序ト連結ハ、物ノ秩序ト連結ト同一デアル。」
(『エチカ』2定理7) - 三は ずっとカントの話。地平あるいは虚焦点としての理念。
- 四は ドイツ観念論における「知的直観」(〜非感性的直観)と「絶対者」の意味。および それが要請される理由について。
- 五は シェリングの謂う「神的悟性」について。Ontotheologie としての存在論。
- p.122 「等しい物によって(のみ)等しい物は認識される。」(セクストゥス・エンピリコス『学者たちへの論駁』。ISBN:4876981477 ISBN:4876981655 ISBN:4876981868)
A 二
Aの準拠問題四つ。
A 三
問い(二)「体系形成の可能性条件」への回答まとめ:
近代の最初の体系形成の可能性の条件は、同時に現代諸科学の成立と存続の前提にもなっています。
- (一)知の尺度としての数学的なものの優越。
- (二)真理に対する確実性の優位としての、こうした要求を顧慮した知の自己基礎づけ。事象に対する手続き(方法)の優位。
- (三)「我思う」の自己確実性としての確実性の基礎づけ。
- (四)存在の本質規定にとっての法廷としての思考。つまり ratio。
- (五)存在の全体についての従来のキリスト教的な経験を新たな問いかけのうちに承け継ぐことと同時に起こった、知の形成におけるキリスト教的信仰の独占的支配の崩壊。知と信仰、つまり知性と信心との区別は、いまはじめておこなわれるわけではないのですが、しかし、知とそのさまざまな可能性と権利とについての自己解釈が変わるのです。
- (六)人間的現存在のあらゆる領域における創造的な征服と支配と再編へ向けて人間が開放されること。[p.82-83]