ロイ・ポーター『啓蒙主義』

通勤読書。シリーズ『啓蒙とは何か』。

啓蒙主義 (ヨーロッパ史入門)

啓蒙主義 (ヨーロッパ史入門)

これははもう漢の入門書と言ってよいのではないか。なにしろ特定の人たちを取り上げてその主張を紹介するページが全くないんである。この主題でこんなことしたら文句が出るのは目に見えているわけなので、余程の見識と自信がないと(もしくは余程の大先生でないと)不可能な所業であろう。ともかくも、そうした刈り込みのおかげで導入のための良書になっているように思う。

ただし、そういう事情なので、「啓蒙主義思想」の本を期待してしまうと、読後の充実感は薄いでしょうな。


訳者による日本語文献案内もすばらしい。既読のものもあるけど、いくつかピックアップしておく。