1975年。邦訳1979年。
『コミュニケーション・モデルズ―マス・コミ研究のために』と同じ著者。
- 第1章 コミュニケーション過程と社会
- 序論
- 社会構造、文化、コミュニケーション
- 第2章 コミュニケーションの理論
- コミュニケーションの要素
- コミュニケーション・モデル
- コミュニケーション行為とコミュニケーション関係──二者択一理論
- 結論
- 第3章 コミュニケーションの方法
- 言語
- 言語と社会構造
- 社会言語学──いくつかの問題点
- 副言語(paralanguage)
- シンボルと社会的コミュニケーション
- コミュニケーションにおける技術面の発展とその社会的意義
- 第4章 コミュニケーション過程の構造
- インフォーマルな集団におけるコミュニケーション [小集団研究]
- 集団凝集性
- 地位の分化とリーダーシップ
- 結び
- フォーマルな環境におけるコミュニケーション [組織と小集団研究]
- コミュニケーション、統合、能率
- 横軸コミュニケーション、縦軸コミュニケーション
- 口コミ
- 階層性と地位の分化
- 結び
- コミュニケーションと地域社会
- 他の環境における対人コミュニケーション
- 第5章 影響過程としてのコミュニケーション
- 勢力と影響の概念
- コミュニケーションにおける影響力の類型
- コミュニケーション“効果”と影響過程
- 第6章 マス・コミュニケーション
- マス・コミュニケーションの特徴
- マス・コミュニケーションのモデル
- マス・コミュニケーションの製作
- マス・コミュニケーションにおける受け手の受容
- マス・コミュニケーションと社会
- 結論
- 第7章 結論:コミュニケーションの諸問題と社会研究
コミュニケーションの社会学―その理論と今日的状況 (1979年)
- 作者: デニス・マクウェール,山中正剛
- 出版社/メーカー: 川島書房
- 発売日: 1979/10
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第4章 コミュニケーション過程の構造
インフォーマルな集団におけるコミュニケーション [小集団研究]
フォーマルな環境におけるコミュニケーション [組織研究]
- アミタイ・エチオーニ『現代組織論 (1967年) (現代社会学入門〈2〉)』
- アミタイ・エチオーニ『組織の社会学的分析 (1966年)』
結論
ちょっと何いってるかわかりませんが、訳の問題もありそうです。pp. 201-202
ここ数十年栄えた、異なる社会分析のパラダイムをもつ社会学のいくつかの学派は、どちらかというと、コミュニケーションの視点に対して反目的ないし無視の姿勢であった。貧困とか社会的解体に関心を払っている初期の応用社会学は、実質的な解決を求める特定の本質的な問題に焦点をしぼった。構造機能主義や社会体系論は、過程そのものの内容や動態よりも、むしろ社会過程の類型や結果に焦点をおく傾向がある。
マルクス主義や新マルクス主義の社会学も、おもに構造的な事柄にかかわっている(…)。社会学の現象学派やエスノメソドロジー学派は一面もっぱらコミュニケーションにかかわっているが、しかし限られた側面だけにとどまっている。これについては悔やむことはない。「コミュニケーションの視点」にのっとって築かれた社会学は、知的には不毛なものであろう。
謎の結論。
p.202-203
社会生活におけるコミュニケーション研究は、大部分はいくぶん断片的な形で行われている。その断片的な研究については、前の方の章での考察で検討してきた。つまり、コミュニケーションは、小集団、職場組織、マスコミュニケーション・システムなどにおいて研究されている。
たとえば、マスコミュニケーションと個人の影響とか、組織におけるフォーマルなチャンネルとインフォーマルなチャンネルとの結びつきとかを調べてみるなど、そのような境界線を越えたコミュニケーションの流れや構造に関連付けようとする研究もある。しかし、さまざまなコミュニケーションのネットワークやチャンネル間の重なり合いや交換について、もっと総合的な情報が必要である。いままでなされてきた研究では、社会的コミュニケーションを、あまり結びつきのない一連の別個の経験領域であるとする見方が多かった。これは、われわれの個人的経験からみても誤りとわかる見解である。