ウィリアム・ジェイムズ(1902)『宗教的経験の諸相:人間性の研究』

これもまた「ニューソート」の基本書のひとつ。




  • 原著 序
  • 第一講 宗教と神経学
  • 第二講 主題の範囲
  • 第三講 見えない者の実在
  • 第四・五講 健全な心の宗教
  • 第六・七講 病める魂
  • 第八講 分裂した自己とその統合の過程
  • 第九講 回心
  • 第十講 回心──結び

  • 第十一・十二・十三講 聖徳
  • 第十四・十五講 聖徳の価値
  • 第十六・十七講 神秘主義
  • 第十八講 哲学
  • 第十九講 その他の特徴
  • 第二十講 結論
  • 後記

第二〇講 結論

 私たちの見いだした宗教的生活の特徴を、できるだけ大ざっぱに総括してみると、それは次のような信念を含んでいる。──

  • 一、目に見える世界は、より霊的な宇宙の部分であって、この宇宙から世界はその主要な意義を得る。
  • 二、このより高い宇宙との合一あるいは調和的関係が、私たちの真の目的である。
  • 三、祈り、あるいは、より高い宇宙の霊──それが「神」であろうと「法則」であろうと──との内的な交わりは、現実的に業の行なわれる方法であり、それによって霊的エネルギーが現象の世界のなかへ流れ込み、現象世界に心理的あるいは物質的な効果が生み出される。
    宗教はまた次のような心理学的な特徴をも含んでいる。──
  • 四、或る新しい刺激が、何か贈り物のように、生活に付加され、それが叙情的な感激か、それとも真剣さおよび英雄主義への訴えかのいずれかの形をとる。
  • 五、安全だという確信、平安の気持が生じ、他者との関係において、愛情が優れて力強くなってくる。