5. 二分コードと機能システムの分出

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コミュニケーション過程の二分法図式化は機能的に特殊化された全体社会の部分システムの分出を通じて可能にされ、また、分出の程度に応じて変化する

持つことと持たないことという図式は、それが経済外的な機能連関については何も言わない程度において、つまり、所有の不平等は他の全体社会の諸機能システムへ移転されない程度において、負担免除される。

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そのような分離は、宗教、法、政治において古代の高文化の始まり以来、道徳的に要請されたにもかかわらず、全体社会的な現実においてはきわめて不十分な形で実現したにすぎなかった。なによりも家族‐階層‐諸構造が、役割の諸次元での分化が諸極地に達することを妨げた。それにもかかわらず、それは近代の市民社会において、歴史的に並ぶ物がない程度に貫徹された。

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