1975年の著作。序論 p.8-9。
人への帰属は その人物の行動に対して重要な影響をもたらすものではあるが、帰属だけが唯一の対人的判断というわけではない。より広範な視点に立つならば、帰属理論の研究方法と接近法は 対人知覚 として知られている社会心理学の一般的な領域に学問上の恩恵を被っている。
- 第2章では、対人知覚における伝統的な諸要因を概略することで、この恩恵に報いることになろう。[知覚の]刺激となる人物が考えたり行動したりすることによって対人知覚をいかに複雑にしているかを示すことによって、対物知覚と対人知覚の相違を説明する。対人知覚に関して十分な素養を有している学生は、第3章にすぐに進むべきであろう。
- 第3章では、他者に対する判断が正確であると思われる人々の特性がどのようなものであるかという関心と、知覚に 身体的欲求 と パーソナリティ力動 がどのような影響をもたらすかという関心との二つの先行する伝統的研究の中から、帰属理論とみなしうる部分の発展をたどる。引き続き帰属理論へのモデルへの方向付けを行うために、第3章は、帰属過程の基本となる諸段階の分析で締めくくられるであろう。
- 第4章は、フリッツ・ハイダーの先駆的研究で始まり、ジョーンズとデーヴィズと ケリーによって提唱された帰属理論の展開について考察を行う。
- 帰属過程に関するこれらのモデルの長所・欠点については第5章で論じられる。この章では、帰属過程における諸構成要素──観察、意図、属性帰属──が、それぞれのモデルでどのように取り扱われているかが示される。この章は、難解であり、主として帰属理論に強い関心を抱いている学生にとって価値のあるものである。[...]
- これらに続く3つの章では、それぞれ特性付けられた個別的行為者への属性帰属が考察されるであろう。
- 第6章では、知覚者が自己の行為に対して行う帰属が記述され、行為者と観察者との記述の間にしばしば見られる差異に関して考えられる理由のいくつかが検討されるであろう。
- 第7章では、個人的因果関係と責任判断の個人的・状況的決定因が明らかにされる。知覚者の行うであろうすべての属性帰属のうち、他者への因果関係の帰属がおそらくもっとも重要であろう。──たとえ、刺激としての人物に関してなされるほかの推論が、その人物の行為が意図されたものであるとの信念に依存しているから という それだけの理由であったとしても。因果関係の帰属についてのこの議論に引き続いて、
- 第8章では、行為とそれが為された文脈からパーソナリティ属性がどのように推論されるかが記述される。
- 最後に、第9章では、行為者の行った帰属が、刺激としての人物に対する知覚者のその後の行為にどのような影響を及ぼしうるかが考察されるであろう。
というわけなので、9章だけ読めばよいのではないかという噂。
1. 序論 | |
---|---|
2. 帰属の基礎──対人知覚 |
|
3. 帰属の構成要素 |
|
4. 3つの帰属理論 |
|
5. 諸理論の比較 | |
6. 自己帰属 |
|
7. 他者帰属──因果関係と責任性 | |
8. 他者帰属──個人的諸属性 | |
9. 帰属の対人的・社会的意義 |
|