Liu (2012) 「エスノメソドロジー再考:システム論の実践的論理」

  • Introduction
  • Theoretical foundations of systems theory and ethnomethodology
  • Affinities: Members' accounting practices and systems' operations
  • Ethnomethodology reconsidered and the concept of reflexivity
  • Reviewing experiments through systems theory
  • Funding
Author biography
Liu Yu Cheng is a postdoctoral researcher and college master at National Chengchi University, Taiwan, teaching sociology of speed, sociological theory and globalization. Current research interests include systems theory, sociological theory, ethnomethodology, religion and modernity. He has published on social systems theory and religious studies. Recently he has been working on systems theory and media studies.


「認知的/規範的」という区別は、フッサール『経験と判断』ISBN:4309242154(〈open/problematic〉 possibilities)由来だ*、とか素性の定かならぬことが あれこれ書いてある。まぁそれはさておき。

* 初期のルーマンがこの著作をしばしば参照していたのは確かだが、『法社会学ISBN:4000020706 における「認知的/規範的」という区別の導入は 行動科学〜社会心理学 からのものだろう。(なんか──確認してないけど──出典も書いてあったと思うのだが...)
Affinities: Members' accounting practices and systems' operations

ルーマンの〈心的システム/社会システム〉区別とか、システム類型(相互作用|組織|社会)などなどを まったく検討することなく前提にしたうえで、

  • 「〈知覚/コミュニケーション〉というペア*は、ガーフィンケルのテクストにはどのような形で顔を出しているか」

といった方向で議論を進めていくのは無理筋かつアンフェアもいいところ。

* 著者はおそらく、〈環境/システム〉区別を主題化するために、このトピックに照準しているつもりなのだろう。
Ethnomethodology reconsidered and the concept of reflexivity

著者は reflexivity というトピックがルーマンガーフィンケルの議論のブリッジを与えるというが、これも無理筋。

ルーマンは社会的システムにおける自己参照の形式を
  • 基底的
  • 過程的
  • 反省的
という3つに定式化しているが、これを使っていうと、

ルーマンの用法での reflexivity は 「過程的」に相当するものだし、ガーフィンケルの用法では「基底的」の水準に相当する*のであって、直接に比較してどうにかなるようなものではない。

そういう比較をしたいなら、引き合いに出すべきなのは 定式化formulation 実践 のほうだろう。
* ガーフィンケルの謂う reflexivity は、いかなる社会的操作にも伴われるものなのだから。
Reviewing experiments through systems theory

いまどき「違背実験」でエスノメソドロジー語っちゃだめ。




そういえばこの本読んだことないや。どないですの。ISBN:0791455408

Order and Agency in Modernity: Talcott Parsons, Erving Goffman, and Harold Garfinkel

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