涜書:カッシーラー『認識問題4』

一巻は1906年、二巻は1907年、三巻が1920年刊行。
四巻の執筆は1940年(66歳)、スウェーデンにて。英訳刊行が1950年、ドイツ語版刊行は1957年。

カッシーラーは1945年にニューヨークで死んでいる。
認識問題 4 ?ヘーゲルの死から現代まで

認識問題 4 ?ヘーゲルの死から現代まで

    • 序論
第一部 精密科学
第二部 生物学の認識理想とその変遷
  • 第一章 自然諸形態の分類と分類学の問題
  • 第二章 変態の理念と〈観念論的形態学〉
  • 第三章 問題としての発生学と格率としての発生学
  • 第四章 独断としてのダーウィニズムと認識原理としてのダーウィニズム
  • 第五章 発生=機構学と生物学の因果関係
  • 第六章 生気論=論争と「有機体の自律性」
第三部 歴史学的認識の基本形式と基本動向
  • 第一章 歴史主義の出現――ヘルダー
  • 第二章 ロマン主義と批判的歴史学の端緒――「歴史学イデア論」――ニーブール――ランケ――フンボルト
  • 第三章 実証主義とその歴史学的認識理想――イッポリット・テーヌ
  • 第四章 歴史記述の基礎としての国家論と憲法論――テオドール・モムゼン
  • 第五章 政治史と文化史――ヤーコプ・ブルクハルト
  • 第六章 歴史の心理学的類型化――カール・ランプレヒト
  • 第七章 歴史学的認識理想にたいする宗教史の影響――ダーフィト・フリードリヒ・シュトラウス――ルナン――フュステル・ド・クーランジュ
序論
認識問題の歴史家は、基本的にもはや、それを堅持し、それによって方向を定めることができるような統一的な対象を持っていない。(20)
傍点は著者による。
カッシーラーの研究の基本姿勢にかかわる認識である。面白い。